平成の終わり
平成もあと５時間ほどです。テレビやラジオは、こぞって特集番組を流しています。
この「複眼」の始まりは、2004年４月、平成元年生まれの高校生のクラス担任になった
ときでした。それは、昭和生まれの最後の高校生の担任でもありました。その意味で、平
成の時代が終わることについては、私個人としても一つの区切りを感じます。それで、背
景の色も変えてみました。
００１号で「元号と世代」というテーマの話をしましたが、当時は、こういう形で改元
がされるなどとは全く想定していませんでした。
改元というと、昭和から平成に変わったときのイメージしかなかったわけで、今回のよ
うに、とても明るい気持ちで改元を迎えるというのは、誰も経験したことのないことです。
平成への改元では、喪に服すために、あちこちのイベントが "自粛" によって中止にな
り、テレビのバラエティ番組も内容を抑えたりと、国民がみんな下向きになっていました。
恐らく経済的にもマイナスになったのではないかと思いますが、時はバブル経済の真っ只
中だったので、そのマイナス分は十分に吸収できたのではないかと思います。
しかし今、半年から１年もの間、ワイワイ騒ぐような "不謹慎な" イベントは自粛、な
んてことをやると、あっという間に経済はどん底に落ちるような気がします。しかも、匿
名の一部の意見が拡散しようがなかった30年前と違って、今はＳＮＳの普及により、国民
どうしが監視し合うような様相で、"不謹慎狩り" が猛威を振るうのではないかと思った
りもするわけです。思想が入り込む分だけ、大災害時のそれとは相当違うと思います。
などということをボーッと考えながら改元を向かえようとしています。
雨の令和で零和
今朝のＮＨＫの番組の中で、経済小説「ハゲタカ」の作者・真山仁氏が、令和時代の経
済の予測について、きょうの雨模様の天気に絡めて「令に雨で零になる。令和は零からの
始まり」というようなことを言っていました。
そうか！ 令和→零和はゼロサムじゃないか！
経済の成長が望めず、人口も減っていく中、限られたパイ（資産、人材）の奪い合いに
なるんだな、と私は受け止めました。
つまり、誰かが儲かるためには誰かがその分を失わなければならない、いわゆるゼロサ
ム・ゲームの時代ということです。
集まるところにはドンドン集まり、失うところはドンドン貧しくなっていく．．． 貧
富の差に拡大です。
しかし、平成もそういう時代だったような気がします。
そう考えると、みんなが儲かっていた戦後の昭和はすごかったなと、改めて思います。
「令和」には昭和へのノスタルジー（郷愁）もあるのではないか、と言っていた人もいます。
ハゲタカ＝禿げたか？