幽霊国民がぞろぞろ
いやはや、呆れました。日本の戸籍制度は、もっとしっかりしていて
信用できるものかと思っていましたが、これで
は、幽霊も一緒くたってことになってしまいま
す。
10日(火)、神戸市で、100歳超えの847人の所
在を確認したところ、なんと！105名の所在がわ
からないというのです！
事の発端は、足立区に住んでいるはずの111歳
の男性が、実は30年ほど前に死亡していたこと
が発覚したという事件です。しかも、遺体はそ
もまま自宅でミイラ化していたというのですから、２度驚き。その上、その男性は一人暮
らしでいわゆる孤独死を遂げたというのではなく、長女夫婦、孫２人の５人暮らしだった
というのですから、３度びっくり。
それだけでなく、長女夫婦と孫は、男性が死亡していることを知りながら、そのまま
"同居" し続けていたというのですから、４度びっくりです。
６月に、足立区が警察署に、この男性の生存が確認できないと相談、７月の誕生日のお
祝いの記念品を渡そうと、区の担当者と警察署員が自宅を訪れた際には、孫が「おじいさ
んは会いたくないと言っている」と面会を拒否。２日後、孫が警察を訪れ「実はぁ」と告
白、自宅の部屋で遺体を発見したのです。
これをきっかけに、全国の自治体が100歳以上のひとの所在の確認に動き出したわけで
す。
足立区の場合、どうも年金目当てだったらしいということなので、そうなると、100歳
ではなく、年金支給年齢の65歳以上を早く調べるべきでしょう。
幽霊国民は何人なのでしょうかね。
日本の戸籍は信用できない
私事ですが、10日で結婚16年になりました。16年前、今の妻と結婚するとき、妻の国には戸籍などもなく、出生証明も、彼女が二十
歳くらいのときに届け出られたもので、日本の役所（現地の日本領事館）では通用しませ
ん。それで、それを補完するものとして、出生地の教会の発行する洗礼証明書が必要にな
ります。
私はそのとき、日本のような戸籍制度がしっかり機能していれば、戸籍謄本１通でＯＫ
なのに、面倒くさいなぁ。と思っていました。
ところがこの事件ですよ。国民の生死すらはっきり分からないような戸籍なんて、それ
こそ信用できないではないですか！！
日本の今回の事件で、死亡届を出さなければ法的にはいつまでも生き続け、その確認を
だれも積極的に行わないということが明らかになったわけです。
役所は住民に対して性善説の立場であるということなのかも知れませんが、もはや、日
本人はそんなに正直者ではないということも明らかになったのです。とくに、お金が絡ん
でくると。
こんな状態であることが世界にも知られてしまったわけですから、実に恥ずかしく思い
ます。日本人は、ますます自信をなくしてしまうのではないでしょうか。
子供虐待の問題に似ている
最近、子供の虐待がなぜ防げないかが問題になっていますが、私は、高齢者の所在確認と子供の虐待防止は似ていると思います。
共通していることは、担当者（学校の教員や、自治体や福祉施設の職員等）が本人に直
接会うことなく、家族（子供の虐待の場合は親、高齢者の所在確認の場合は子供等）の回
答のみを信じてしまうという点です。
プライバシーの保護ということが優先されて、それ以上、家庭に部外者が立ち入ること
に躊躇してしまっているのです。あるいは、担当部署の責任者の事なかれ主義も関係ある
でしょう。
子供の虐待防止や住民の所在確認は、本人に直接会うということを必ず実行し、また、
担当部署の権限も強化すべきです。
日本は、子供は親の所有物という感覚が今も強いような気がしますが、現政権は、子供は社会全体で面倒を見るべきものという理念で子供手当てを作りま
した。その理念は、ぜひ、虐待防止にも役立てるべきです。 〟