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複眼  No.004                     2004年4月26日

本格始動

 22日に班活の本登録も終わり、いよいよ本校の生徒としての生活が本格的に始まりまし
た。
 授業も、最初の1週間に比べて難しくなってきたのではないでしょうか。体育館で行っ
た学習ガイダンスで述べたように、最初の簡単な頃に油断をせず、心して授業を受けてく
ださい。

5連休

 いつも、本格的に始まったかと思うとゴールデン・ウィークになってしまいます。
 今年は5連休です。製造業などでは4月30日も休みにして7連休にするところも多いよ
うです。昨日の「のど自慢」に出ていた若い女性は「11連休で〜す」なんて言ってました。
 一方で、デパートやレジャー施設等は稼ぎ時ですから休むどころではありません。働く
ひとと遊ぶひとの両方がいないとうまくいきません。
 班活で休んでいられない人も多いでしょう。鈍った体で無理をしないよう、怪我には十
分注意してください。
  『自分が働いてるときに遊んどる人見ると、腹立つけどなぁ。』
  《けどな、遊んどる人の使(つこ)うたお金が、回り回って自分の給料の足しになると思えば、
   逆にもっと金使うてくれ、という気持ちにもなるがな。経済成長いうのは、モノを
   作るばかりじゃアカンということや。たくさん買わにゃアカンのや。
   こういう連休には、ぎょうさんの人がレジャーにお金使うさかい、経済効果も期待
   できるんや。"ハッピーマンデー" とかいって、祝日をわざわざ月曜日に動かして
   連休にするのもそれが狙いなんやで。》
  『そういえば、あの高度成長時代には「消費は美徳」なんて言葉、聞いたなぁ。』
  《そうやって消費を煽ったんやな。実際、当時は各家庭で買いたいものがたくさんあっ
   たんや。テレビ、電気洗濯機、電気冷蔵庫は "三種の神器(じんぎ)" といわれてた。』
  『いちいち「電気」って付くとこがおもろいな。』
  《次は "3C" や。》
  『あ、知ってる。カラーテレビ、クーラー、車(car)やろ。』
  《アタリ! 1964年の東京オリンピックでカラーテレビがよう売れたんや。》
  『「家付き・カー付き・ババア抜き」っていうのもあったで。』
  《アホか。それは別の話や!
   ともかく、物は豊かになったんやけど、失ったものも大きいでぇ。》
  『わかった。環境破壊やろ。』
  《タマには真面目に答えるんやな。それに、心も失のうてしもたと言う人もおる。物
   は豊かになったけど、心は貧しいって。》
  『「物より思い出」っていうCMあったな。』
  《でも、そういって車売ろうとしてるんやから、ワタシはあまり好かんな。》
  『じゃあ、「お金で買えない価値がある。買えるものはナンチャラ・カードで」って
   いうのは?』
  《よう次々と出てくるなぁ。オマエはテレビばっかり見とるんやろ。》
  『そうや。ゴールデンウィークもテレビ浸け〜。』
  《さみしいなぁ。》
  『ほっといてんか。それにしても、なんでゴールデンウィークに祝日が集中したんや
   ろか。』
  《集中したからゴールデンウィークなんやろ。》
  『そんな、揚足取るようなこと言わんといてえな。イ・ケ・ズ』
  《お〜、気色悪う。鳥肌立ったわ。》

なんで休みなの

国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)
第1条 自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな
   生活を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを
   「国民の祝日」と名付ける。
第2条 「国民の祝日」を次のように定める。
 元日     1月1日     年のはじめを祝う。
 成人の日   1月の第2月曜日 おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を
                 祝いはげます。
 建国記念の日 政令で定める日  建国をしのび、国を愛する心を養う。
 春分の日   春分日      自然をたたえ、生物をいつくしむ。
 みどりの日  4月29日     自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ。
 憲法記念日  5月3日     日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する。
 こどもの日  5月5日     こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感
                 謝する。
 海の日    7月の第3月曜日 海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う。
 敬老の日   9月の第3月曜日 多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う。
 秋分の日   秋分日      祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ。
 体育の日   10月の第2月曜日 スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう。
 文化の日   11月3日     自由と平和を愛し、文化をすすめる。
 勤労感謝の日 11月23日     勤労をたっとび、生産を祝い、国民互いに感謝し合う。
 天皇誕生日  12月23日     天皇の誕生日を祝う。
第3条 「国民の祝日」は、休日とする。
  2 「国民の祝日」が日曜日にあたるときは、その翌日を休日とする。
  3 その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(日曜日にあたる日及び前項に規定する休日にあ
   たる日を除く。)は、休日とする。

 最後の条項が、5月4日「国民の休日」の根拠です。

みどりの日

 この祝日法が最初に制定されたのが昭和23(1948)年です。戦前の祝日法は、終戦(昭和
20(1945)年)直後、GHQ(general headquarters=(米軍による日本占領の)総指令部)
の命令で廃止されました。日本政府は、改めて祝日を設定するにあたり、GHQを納得さ
せる材料を得るために世論調査を行い、その結果、第1位が新年、第2位が天皇誕生日で
86.7%の支持だったそうです。4月29日が昭和天皇の誕生日です。
 平成に変わって天皇誕生日が12月23日になったので、このままでは4月29日は平日に戻っ
てしまいます。なんとか昭和の足跡を残そうということで、昭和天皇が生物学者で自然を
愛し、全国の植樹事業に意を注がれたことに因んで「みどりの日」として祝日にしたので
す。全国の「みどりさん」が喜んだかどうかはわかりません...
 このとき、国会で「昭和の日」にすべきではないのかという意見も出たのですが、当時、
リクルート事件で風前の灯であった竹下内閣は、余計な批判を避けるために無難な名前に
して法案成立を優先させたといわれています。
 平成11(1999)年には、超党派の「『昭和の日』推進議員連盟」が発足し、国会に法案を
提出したのですが、今度は、森首相の "神の国発言" の余波などで廃案になりました。
 ついでの話で、明治が終わったときには明治天皇の誕生日11月3日は祝日ではなくなっ
たのですが、何とか「明治」を後世まで残したいということで、当時は何もない野原に明
治神宮が作られたのです。そのとき、各地からの献木が10万本にもなったそうで、それが
今の神宮の森になったのです。「明治」への思い入れは強く、昭和になってから11月3日
を「明治(せつ)」として祝日に復帰させました。
 やはり、大正は影が薄くなってしまうのですが(本紙001参照)、大正天皇の誕生日
は8月31日で、国民が祭事を行うには暑すぎるだろうという "配慮" から、祝日は10月31
日にしたそうです。しかし、昭和になってこの祝日はなくなり、そのままです。
 明治を残すときと昭和を残そうというのとでは、明治の方は国民から強い運動が起きて
政府が動いたの対し、昭和の方は政治家主導という点が大きく違います。「主権在君」
(君=天皇)の時代と「主権在民」の時代の国民の意識の違いと言えるかも知れません。

憲法記念日

 1947(昭和22)年5月3日に、現憲法、日本国憲法が施行されました。この半年前、1946
年11月3日、「明治節」だった日に公布されています。
 公布とは、発表し国民に知らせること、施行とはその効力を有効にすることです。
 世界で憲法は180か国ほどありますが、日本国憲法は古い方から15番目です。
 当時の日本の憲法問題調査会(会長=松本烝治(じょうじ)国務大臣)は、明治憲法を手直しすれば
よいだろうと考えていたのですが、その案(通称「松本案」)が1946年の2月1日の毎日
新聞にスクープされて、国会に出す前にGHQに知られるところとなりました。それを見
たマッカーサー最高指令官は即座にこの案を拒否し、GHQに憲法草案作成を極秘に指示
しました。25人の軍人が集められ(憲法の専門家は一人もいない)、2月4日から2月10
日の1週間で日本に知られることなく草案が作られました。草案作成の指示には、「リン
カーンの誕生日2月12日までに」という条件が付けられていました。
 これは日本が「明治節」にこだわったのと同じで、国と国のぶつかり合いでは、こうい
うこだわりが実は重要なんだと感じます。
 GHQの憲法草案の "押し付け" は、「占領者は被占領地の現行法を尊重しなければな
らない」という「ハーグ陸戦条約」に違反するのではないかという疑問も持たれましたが、
当時としては、GHQ案を拒否すれば天皇の身の安全の保障がなくなるという心配から、
日本政府自ら受入れ、審議・決議したことで、辛うじて "自主性" を保った形になってい
るということのようです。
 今、憲法改正論議が高まっています。憲法は国の根幹を規定するものですから、諸君は、
新聞やテレビ報道などをよく見て、自分の考えをまとめていってください。もし改正する
となれば、その頃には諸君は、国民投票で1票を投ずる権利を有しているはずです。

こどもの日

 本来は旧暦(※)の5月5日で、今の太陽暦でいうと6月の梅雨の頃、田植えの始まる
頃ですが、日付をそのまま引き継いだので、今の爽やかな季節になりました。
 端午の節句(たんご   せっく)といいます。5月の端の午(はじめ うま)の日という意味で、中国ではこの日に薬草取りな
どをしたのが、日本では、菖蒲湯につかったり柏餅を食べたりするようになりました。
 江戸時代になって、菖蒲が尚武(武士を尊ぶこと)につながり、女子の桃の節句と並ん
で男子の成長を祝う日に変わっていったと考えられています。
 戦後の法律では、男子だけでなく子供全体になりました。さらに「母に感謝する」とい
うのは、多くの人は知らないのではないでしょうか。
 なぜ母なのか、その理由は勉強不足でわかりません。誰か教えてください。

(※)太陽太陰暦のこと。太陰暦とは、月の満ち欠けのひと巡りを1月(ひとつき)(29日か30日)、1年を12(つき)
 とした暦。それを19年に7度の閏月(うるうづき)を設けて季節とのずれを修正した暦が太陽太陰暦。明治5年に
 現行の太陽暦に切り換えられた。太陰とは月のこと。

独立記念日?

 4月28日のことです。1952(昭和27)年のこの日、前年9月8日に調印されたサンフラン
シスコ講和条約(正式名「日本との平和条約 昭和27年4月28日条約第5号」)が発効さ
れ、占領政策が終了し、法的には日本は独立を回復したのです。
 しかし、「占領軍(進駐軍)」が「在日米軍」に名前を変えて今日まで日本国内に基地
を置き続けていることから、日本はまだ独立していないという人もいます。
 「国の独立」とは、いったいどういうことを指すのでしょうか?         
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