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複眼
Ｎｏ.０１７ 2004年９月21日
訂正2 ごめん2
本紙前号（No.16）の人口ピラミッドの下の段落「また、今 0～14歳の人達は、（中略）
もっと絞らなければならないでしょう。」を、次のように追加・訂正します。
また、今 0～14歳の人達は1851万人で、2025年にはちょうど野球やサッカーのバリバリ
現役の年齢（25歳～39歳）になるのですが、2000年現在の現役の人は約2680万人ほどいま
すから、約70％に減ることになります。単純にいえば、12球団は８～９球団に、サッカー
Ｊ１の16チームは11～12チームに減らさざるを得ないということになりますし、技術レベ
ルを維持しようとするなら、もっと絞らなければならないでしょう。
比較するものを間違えるという、初歩的なミスでした。お恥ずかし．．．
つまり、前回は、2000年の 0～14歳の人口と2025年のそれとを比較して４分の３に減る
といったのですが、スポーツ現役（25～39歳）の人口を比較するなら、2000年の25～39歳
の人口をもとにして2025年にその年代に達する人、即ち、2000年の 0～14歳の人口を比較
するべきだったのです。
なお、2000年現在の現役（25歳～39歳）の人口は、2000年の人口ピラミッドから読んだ
ものなので、±30万人ほどの誤差はあるかも知れませんが、いずれにしても厳しい状況で
す。
《ホンマや、恥かしいなァ。》
『オマエに言われる筋合のモンやないワイ。』
《まだあるでぇ。新聞は「普通紙」やのうて「一般紙」やろ。》
『あぁ、そうや、そうや。よっぽど嬉しいんやな。
ところで、オマエ、今まで何しとったんや。』
《ナニって、夏休み終わったかと思うて出てきたら、運動会終わっとったんで、びっくり
しとるとこや。》
『なに寝ぼけとんのや。２週間ワイワイ練習して14日にえろう盛り上がったんやないか。』
《イヤ～、朝晩が涼しゅうなったんで、そろそろ夏休みも終わりかなぁ思うたんやけど。》
『ったく。呆れてナンも言えへんわ。オマエにはカレンダーちゅうもんがないんかいな。』
《暑い間は夏休み、寒いうちは冬休み。一番ええやろ。》
『ほなら、暗くなったら寝て、明るくなったら起きるっちゅうのか。』
《そうや。自然と共に生きる。ワイは地球に優しいんや。》
世界の人口 ６４億→８９億（2050年）
今月15日、国連人口基金（ＵＮＦＰＡ ※）が「世界人口白書2004」を発表しました。
それによれば、今年の世界の人口は約63億6800万人、2050年には89億人に達するだろう
という予測になっています。1994年時点での予測98億人より９億人下方修正されました。
下方修正の理由として、２億人は家族計画の浸透によるもので、ＵＮＦＰＡの活動の成
果と言えますが、更に２億人は、エイズ等の感染症による死亡者数の増加が原因だといい
ますから、人口爆発にブレーキがかかったといって喜んでばかりもいられません。
また、増え続けることに変わりはないわけで、人口増加と直接かかわってくるのが水と
食料、エネルギー問題です。
今でも、５億人が飲料水に困り、20億人分の穀物が不足しているそうです。
人口が増えてそれぞれの国が発展していくとエネルギーの消費も増えます。ＣＯ2（二
酸化炭素）の排出量が増えて温暖化も進むでしょう。すると、内陸の砂漠化と沿岸地域の
熱帯化に伴う水害の増加、さらには伝染病や感染症の増加が心配されます。
もちろん、これらすべてが人口増加が原因というのではありません。特に先進国の人間
の欲望も大きな原因であることは明らかです。
※Ｕnited Ｎations Ｆund for Ｐopulation Ａctivities（国連人口活動基金）。1987年
に Ｕnited Ｎations Ｐopulation Ｆund（国連人口基金）に名称変更したが、略称は引
き続きＵＮＦＰＡを使用している。
２０年で消えてなくなる国
日本は、世界で最も食料の廃棄量の多い国だといわれています。しかも、コンビニの弁
当に代表されるような「高付加価値」の食品が捨てられています。製造過程で食材そのも
のが捨てられるばかりでなく、賞味期限が過ぎたとか食べ切れないとかで捨てられる場合
は、調理のために使った水やエネルギーも一緒に捨てていることになります。しかも、廃
棄＝焼却するためにも重油が使われ、その分、余計に熱やＣＯ2、有害物質も発生します。
日本の人口減少は、地球のためにはいいのかも．．． という自虐的な発想は、生物と
しての生存本能すら放棄したようなものです。
1995年、中国の李鵬首相（当時）がオーストラリアを訪問した際、オーストラリアのハ
ワード首相（当時）に「日本は、20年もしたらこの地球上から消えてなくなる国だ」と発
言したそうです。まさか阪神大震災を見て物理的に消滅すると思って言ったのではないで
しょうが、経済的・政治的に先進国の仲間から脱落するというような意味でしょう。ある
いは、中国の人口爆発で日本に雪崩込み、中国が支配するというのもあるかも．．．
はっきり "Ｎｏ" と言えなさそうな雰囲気が漂ってきているような気がします。
石の上にも３年
夏休みの宿題だった「職業大研究」、Ｂ組の分を見ました。
中学校で職場体験や仕事調べを経験しており、それによって興味を持った職業について
更に詳しく知りたいというレポートが目立ちました。また、身近な人の働く姿を見てとか、
人を助けたり救ったりするような職業につきたいというのも、何人か見られました。
今はどういうものかを知りたくて調べただけで、自分の進路は未定という人も、現時点
では当然のことですが、大勢います。
興味があって調べてみたのだけれど、詳しく知るうちに自分には向いていないのではな
いかと感じるようになったとか、身近に感じていた職業でも、調べてみると知らないこと
も沢山あって驚いたという人も多く、「職業大研究」のひとつの成果でしょう。
これは重要なことだと思います。
勝手な思い込みだけで希望を抱いて進学あるいは就職しても、現実には思っていたこと
と違い、失望して辞めてしまうというケースが非常に多いと聞きます。このようなことは
"ミスマッチ" ということばで表現されます。
このミスマッチの場合、自信を無くしてしまって、そこで立ち止まってしまうと、前回
本紙で話したＮＥＥＴになる可能性が大きいわけです。
かといって、自信過剰でも困ります。自信過剰で「自分の能力をわかってくれない」な
どと会社など周囲に不満を持ち続けてＮＥＥＴになる人もいます。専門の資格を持ち、そ
のために採用されたのでなければ、１年そこそこで希望の部署に配置してくれると思う方
が甘いのですが、それが理解できない若者が増えているそうです。
一方、ＮＥＥＴは必ずしも "負け組" でないという見解もあるようです。たとえば、働
く必要がないほど資産を持っているというのです。そういう人は人一倍消費活動をしてく
れれば、それはそれで社会に貢献していると言えるかも知れません。
そうでもない限りは、積極的にＮＥＥＴになる必要はないでしょうから、そうならない
ためにも進路研究は非常に大事なのです。
「石の上にも３年」という言葉があるでしょう。何をするにも、とにかく３年はやって
みなくてはわかりません。もちろん、自分の好きなことで飯が食えるというのは理想なの
かも知れませんが、一方、好きなことでも、仕事としてやろうとすると嫌になるというこ
とだってあります。仕事は仕事と割りきってバリバリ働き、自分の趣味は、人から命令さ
れることもなく、マイペースで大切にしていくという生活もひとつの生き方でしょう。
先の人口問題とそれと連動するさまざまな課題も視野に入れて、いろいろ広く目を開い
て、進路の選択肢を増やしていってください。
敬老の日
今年は９月20日（月）です。かつては９月15日でしたが、例のハッピーマンデーによっ
て、2003年から９月の第３月曜になりました。ただ2003年は、たまたま第３月曜日が15日
だったのです。
ところで、そもそもなぜ15日にしたのかという点については、はっきりした根拠は良く
わかりません。祝日にした直接のキッカケは、兵庫県の多可郡八千代町が、1947年９月15
日に村内のお年寄りを集めて敬老会を開いたのが始まりという話があります。その３年後
には兵庫県が９月15日を「としよりの日」と決めて、全国への普及に努めました。
1963年に老人福祉法が制定され、66年に「建国記念の日」（２月11日）、「体育の日」
（10月10日）とともに、９月15日が「敬老の日」として祝日に定められたのです。
それでは、八千代町はなぜこの日に「敬老会」を開くことにしたのか？
それがどうも、「８月では暑過ぎる、10月は稲刈りで忙しい、ちょうど端境期の９月の
真ん中にしたのではないか」と八千代町役場は言っているそうです。
昔は、特別に日を決めなくてもお年寄りを大切にするのは当たり前だったのですが、戦
後はそれが崩れてきて（この原因を探ることは重要かと思われます）、八千代町はそれを
いち早く感じ取って「敬老会」を催したのかも知れません。今の高齢化社会を見通してい
たとも言えそうです。
もうひとつ、ハッピーマンデーに反対した全国老人クラブ連合会（全老連）は「元正天
皇が美濃国（岐阜県）不破の多度山の "養老温泉"（岐阜と三重の県境の養老山地の北端）
の効能に感心した日が太陽暦に直すと717年９月15日で、こうした意味のある日をハッピー
マンデーで変えるわけにはいかない」と主張したということです。元正天皇は、この年の
11月に元号を「霊亀」から「養老」に改元しています。
秋分の日 ９月２３日
春分の日と共に「昼と夜の長さが同じになる日」といいますね。太陽が地球の赤道の真
上から照らします。それをどうして祝日にしなければならなかったのでしょうか。昼の長
い夏至や夜の長い冬至は祝日ではありません。
春分の日、秋分の日は、戦前は、「春季皇霊祭」「秋季皇霊祭」といって 天皇が皇室
の祖先の霊を祀る日として祝日でした。戦後、今の名称になりました（本紙No４参照）。
日本の祝日のほとんどは、皇室と何等かの関係があります。
それでは、なぜ、この日に先祖の霊を祀るのでしょうか。
秋分の日とその前後３日ずつの７日間を彼岸と言います。春分の日も同様です。日本で
は、昔からこの時期にお墓参りなどをして先祖の霊を供養するようになっています。
「彼岸」は仏教用語で、この世である「此の岸」に対して極楽浄土である「彼の岸」か
ら来た言葉です。しかし、仏教の発祥の地インドや中国では、この時期に先祖を祀る習慣
はなく、これは日本独特のものだそうです。
そうなった理由のひとつとして、日本の太陽神の信仰を挙げる説があります。皇室の祖
神とされる 天照大神 は太陽神の代表ですが、天照大神が祀られている伊勢神宮は、大和
朝廷のあった奈良の明日香のちょうど真東に位置します。（ともに北緯34度30分位）
その後、仏教により、真西に浄土があるという「西方浄土」の思想が入ってきます。
それで、太陽が真東から昇り真西に沈む春分の日と秋分の日に、真西にいる先祖の霊を
供養するということが始まったのではないかと言うのです。
日本では、春の彼岸は稲などの作物の種を蒔く時期、秋の彼岸は収穫の時期というのも
関係したでしょう。太陽の恵による豊作を願い、また感謝するのです。
それで、太陽が昇る東と沈む西に何か神聖なものを感じたのではないかというわけです。
太陽神信仰は、農耕社会ではごく自然なものでしょう。エジプトでも太陽神ラーを信仰
していました。そして、エジプトでは夏至や冬至を特別な日と思っていたようです。
その他にもいろいろ説があるようですが、「暑さ寒さも彼岸まで」というように、これ
から過ごしやすい気候になります。文化祭を成功させて勉学の秋を迎えましょう。
『秋は暑くもなく、寒くもなく、いろいろなことがしやすい季節や。スポーツの秋、読書
の秋、芸術の秋、夏の思い出で感傷に浸る秋、数学の秋．．．』
《最後のは聞いたことないなあ。》 〟
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