また2 訂正 ゴメン2
前号「統計の日」の下から３行目：
現在諸君が学んでいる「反復試行の確率 nＣrｐrｑn-r」は統計の基礎になります。し
かし、ほとんどの大学が入試の範囲に入れないので、本校の数学でも扱わないと思います。
は、大きな誤解を与える表現でした。
正しくは、「ほとんどの大学が入試の範囲に入れない」のは統計学のことであって、
「反復試行の確率 nＣrｐrｑn-r」は、数学Ａの内容として、センター試験をはじめとす
る入試の出題範囲にしっかり入っています。
そして、「本校の数学でも扱わない」のも統計学のことであって、「nＣrｐrｑn-r」は
現実に授業でやり、今度の中間考査の試験範囲でもあります。試験、頑張ってね。
思い込みで書いていると、主語などが曖昧な文になることが時々あります。今後は、推
敲を一層慎重にして、このような不正確な表現がなくなるように努めます。
責任回避の
この最後の「努めます」は、最初は「努めたいと思います」と書いたのですが、このよ
うなときによく付ける「思います」は、どういう意味だと思いますか。
これは一種の婉曲表現で、自分の責任を回避する気持ちの現れである、という話を、２
～３年前にどこかで読んだことがあるのですが、それをふと思い出して「努めます」に直
しました。
「もっと勉強したいと思います」より「もっと勉強します」といい切った方が決意が固
いものに聞こえます。
これとよく似たものに、「これから祝賀会を始めたいと思います」というのがあります
が、これは「これから祝賀会を始めます」ではいけないのでしょうか。
「勉強したいと思います」と「会を始めたいと思います」の違いは何でしょう。
後者は、司会者が会場の人達に同意を求める意味合いがあります。つまり、「始めたい
のですが、皆さんよろしいでしょうか」という感じです。
それに対して、前者は、話者個人の決意を一方的に示すだけで、「勉強する」のに誰の
同意も必要ないわけです。「勉強したいと思います」では、「勉強する」という決意がか
なり薄れた感じになってしまいます。
将来、大学などに提出する志望動機や自己推薦文を書くときや面接などでは、このよう
な点にも気を付けると良いかも知れません。
９月28日の産経新聞に、"かたりすと" の平野啓子氏が「相手を思う言葉」というエッセ
イの中で、次のようなことを書いています。
手助けを申し出ようとするときは、「～しましょうか」ではなく、「やります」と言い
切ることが大切だとかつて年配の人から聞いた。「～しましょうか」というのは「結構で
すよ」と断ってくれることを心のどこかで期待している、ずるさを含む言葉だ。車椅子の
人からは、「大丈夫ですか」と聞かれると「大丈夫です」と答えてしまう、「何か手伝え
ることはありますか」と聞いてくれると、手伝ってもらいたいことを素直に頼みやすくな
と言う話を聞いた。相手のことを本当に考えた言葉の選び方が重要である。
「努力します」と状況は違いますが、自分の決意を表現するという点では共通点もあり
ます。言い切ったほうが良い場合や、相手に尋ねた方が良い場合の区別のヒントになりま
す。
「～させていただきます」もよく聞く言い回しです。たとえば、「本日は臨時休業させ
ていただきます」とか「（あなたの意見を）検討させていただきます」というヤツです。
「臨時休業致します」「検討します」ではいけないのでしょうか。
これは、婉曲というのとはまた別の感じも伝わってきます。丁寧に言っているようです
が、実は非常に押しの強い「あなたが嫌だと言っても構わず」という一方的な響きや、相
手に恩を着せるようなニュアンス（nuance（フランス語）＝意味、感情、色あいなどの微
妙な違いや特色）が感じられます。「いただきます」は、何かしらの "相手" を想定した
言葉です。従って、使う場面を間違えると、かえって慇懃無礼（表面では丁寧過ぎる態度
をとりながら内心では相手を見下しているようす）で、相手に不快感を与えてしまいます。
（慇懃＝丁寧なこと、礼儀正しいこと）
「始めさせていただきたいと思います」なんていうのは、もう、目茶苦茶です。
「いただきます」
しかし、単独で使う「いただきます（頂きます）」は、大変よい言葉です。物を有難く
「頂く」「頂戴」をこうして漢字で書くと意味がよく分かるでしょう。「頂」は「（頭）
の最上部」、「
をした状態で、両手で物を頭より上にあげる姿勢を表すことになります。思わず「ははぁ」
という声も出そうです。
キリスト教では、食事前にお祈りをすることはありますが、食事が済んだときに何か言
うという習慣はないようです。それで、知り合いの外国人に、日本の「いただきます」と
「ごちそうさま」を教えてあげたら、それはとても良いことだと感心して、すぐに真似を
してくれました。
こうした感謝の気持ちというのは、宗教を超えて理解できることなのだと実感しました。
ただし、誰（何）に感謝するかは、その人それぞれが心の中で思えばよいことです。
時勢を読み誤ってチャンスを逸する
プロ野球への新規参入で、「ライブドア」と「楽天」が
７日、「楽天」の三木谷社長（39歳）は、元阪神の掛布雅之氏（49歳・野球評論家）に
新球団の監督就任の要請をしました。
それに対して掛布氏は、「戦力や、球団が監督にどんな野球を求めるのかなど、チーム
の形が見えない現時点では考えることも答えることもできない」と答えました。
三木谷社長は、時間がかかりそうだということでその日のうちに掛布氏を断念、翌日に
はジェネラル・マネージャーのマーティ・キーナート氏が元阪神の田尾安志氏（50歳・野
球解説者）に打診、田尾氏は12日に要請を受諾しました。
田尾氏は、「非常に魅力的な仕事。他球団の選手が楽天に行きたいと思ってくれるよう
な魅力あるチームをつくっていきたい」と言っています。
三木谷社長は、田尾氏について、「フレッシュで頭が良く、近代的な仕組みを取り入れ
てくれると感じた」と述べています。
掛布氏と田尾氏はまったく対照的で、私たちに大きな示唆を与えてくれます。
掛布氏は、お膳立てを整えてから監督を決めるべきだという、従来のままの考えだった
のに対して、田尾氏は、自分がチームをつくるのだという、新しいもの、未知のものへの
意欲を持っていたというところが大きな違いです。
一方、「ライブドア」も同日、ヤクルト、阪神で活躍したトーマス・オマリー氏（43歳）
を監督に迎えることを発表しました。オマリー氏は、「長年の夢だった日本での監督の道
が開かれつつある。ファンに愛されるチームをつくりたい。」と語っています。彼も掛布
氏とは対照的です。
現在のプロ野球界の動きは、閉鎖的で不透明な古いしきたりを打ち破って、新しい経営
者が入りやすい環境をつくり、プロ野球を活性化しようというものです。
それに今は、「楽天」と「ライブドア」が新規参入を巡って競争をしているのですから、
のんびりしているわけにもいきません。
「楽天」にしろ「ライブドア」にしろ、30代の若い社長の引っ張る会社は、共にＩＴ関
連のいわゆるベンチャー企業で、新しい分野を切り開いてここまで成長してきたのです。
即断即決で事を進めないとどんどんライバルに追い越されてしまう世界でやってきている
のですから、「形ができたら考えましょ」は、通用しないということです。三木谷社長に
とっては、新球団もベンチャー企業だ、という思いがあったのではないでしょうか。一緒
に形を作ってくれる人を求めていたのだと思います。
掛布氏は、こうした時勢、空気を感じることができなかったためにチャンスを逸してし
まったのだと私は思います。彼は、「（その後は）水面下で話を進めたかった」と言って
いますが、そうしたグジグジしたことは、この若い社長にとって、また、参入競争の真っ
ただ中にあっては、「ｎｏ」と言っているに等しかったわけです。
三木谷社長に対しては、二股かけていただとか、賛否はいろいろあるようですが、この
世界は結果で勝負するしかありません。
頭髪の日 ～
これを話題にできるのは、私の特権でしょう。
特定非営利活動法人（ＮＰＯ法人）「日本自毛植毛センター」というのがあるそうで、
そこが「第１回毛髪川柳コンテスト」なるものを催して寄せられた川柳の最優秀賞は、
「頭見て 敬語使うな 年下だ」だということです。
これは、あまり損なことではないと、私は思っています。
そのほかに、「頭見て 『冬のアナタ』と 笑う妻」なんてのもあるそうです。
それにしても、テレビのＣＭでも、頭髪をなんとかするというのが非常に多いですね。
それだけ多くの人が悩んでいるということなのでしょう。
私は、何でそんなに悩むのかが不思議です。悩むこと自体が一番良くないのではないか
と思います。
また、費用も掛かりそうです。私は調べたことはありませんが、百万単位の費用が掛か
るようなことを聞いたことがあります。
今話題の、あの "はえぎわまで見せても大丈夫" という奴も、毛髪を植えた非常に薄い
フィルムを皮膚に貼るのだそうで、連続使用は１週間が限度ということです。とすれば、週に１度は "保守・点検" をしなければならないわけで、大変煩わ
しいと思います。その時間とお金は、ほかのことに使いたいものです。 〟