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Ｂ組総合優勝　おめでとう！　球技大会　３月17日 　ついに優勝。おめでとう。決勝では確か、女子は全員得点したのではなかったでしょう か。よくボールを回して、シュートの正確さもなかなかのものでした。 　男子は、副校長先生の講評にもあったように、バスケットボール班の選手の動きがさす がという感じでした。 　Ｂリーグの方では第３位でした。おめでとう。 　１年の最後に２枚も賞状を貰って、とても嬉しい締めくくりとなりました。 　文化祭のあのクラスＴシャツもよかったです。 　それなのに、教室に戻ったあと、うっかり早く解散してしまって、「盛り上げが足りな い」と叱られてしまいました。不粋(ぶすい)な担任で、ゴメン。（不粋＝粋(いき)でないこと。野暮(やぼ)） 文化教室　３月14日 　東京芸術座公演の「12人の怒れる男たち」（原作：レジナルド・ローズ、演出：稲垣純） は、いかがでしたか。これは、1957年にヘンリー・フォンダを主役として映画化されてお り、多くの人が知っているものです。 　本紙前号で裁判員の話をしましたが、前号では紙面の都合で書けなかった、裁判員と陪 審員の違いについてお話ししておきます。 　先日の劇で、陪審員が何をするのかはわかったと思います。これと、前号の裁判員の説 明を比べると、次のような違いがわかります。 　まず、陪審員は陪審員だけで評議して評決を出すのに対して、裁判員は、裁判官と一緒 に評議・評決をします。 　また、陪審員は、有罪か無罪かだけを決めるのに対して、裁判員は、量刑（懲役何年に するかということ）まで決めます。 　陪審員の評決は、全会一致であるのに対して、裁判員は多数決です。ただし、裁判官と 裁判員の両方が賛成に入っていなければなりません。 　評議・評決を裁判官と一緒にするようにしたのは、裁判員に法律の専門知識がなくても 支障ないように、というのが理由のようです。私が想像するに、専門家が法的な制限など の説明をすることによって、素人は知らないうちに一定の結論に誘導されてしまうのでは ないか、という心配があります。 　また、多数決というのは、全会一致にするより責任感が軽く感じられるような気がしま す。全会一致の場合、あの劇のように、まず最初に評決を取り、有罪と無罪の立場を明ら かにして激論を交わし、どちらかの意見に収束させていきます。一方、多数決では、評決 は評議を尽くした後、一番最後に行うことになります。あの劇のように、一人だけ賛成 （反対）しても、多数決ではそれでおしまいです。 　人を裁くのに、たった数日間（数回）の公判と評議で多数決で決めてよいものなのか、 あの劇を見てから急に疑問に思えるように、私はなってきました。 　日本の裁判員制度は2009年５月、諸君に選挙権が与えられる頃までに実施される予定で す。学生の間は辞退できるようですが、基本的には国民の義務のような扱いになるのだと 思います。 　勤労・納税・教育は、憲法で規定された国民の義務ですが、裁判員は、憲法上、どのよ うな位置付けになるのでしょうか？ メンタルヘルス講演会　３月１５日 　東京学芸大学の小林正幸教授を講師にお迎えして約１時間、「たおやかに生きるために」 というテーマで講演をしていただきました。 　「たおやか」とは「嫋やか」と書き、姿や動作などが美しくしなやかな様子という意味 です。しなやかさは強さにも通じますが、美しさにも通じるということでしょうか。 　メンタルヘルス（mental health，心の健康）なのですが、まず、脳の話になりました。 　今では、心・感情が脳という物質の機能によって出てくるということは科学的に正しい とされていますが、やはり一方では、心と体（脳も体の一部）は別のもの、心や精神とい うものは、もっと霊的で不可思議なものという感覚も、まだ私たちの中にはあります。更 に、神との関係を絡めて心を捉えようとしたりもします。 　例えば霊が写っているとされる写真をテレビで公開して、霊能者やら祈祷(きとう)師やらと言わ れる人によって判定してもらうというテレビ番組がありますが、これなどは、心（霊）と 肉体は別のものであることが前提なわけです。 　ところで、その番組には、小学生数人がレギュラーで出ており、視聴者から送られてく る写真を見て、驚いたり怖がったりして見せているのですが、本当に霊が乗り移るという ことがあるのなら、それを見世物にしているテレビ局や出演者である子供たちに悪霊が危 害を加えることはないのだろうかと、いらぬ心配をしてしまいます。もっとも、テレビ局 はそんなことはあり得ないと思っているからこそ、平気で子供を出演させるのだと思いま す。つまり、その番組は自己矛盾しているということになります。或いは、除霊をしても らっているから大丈夫、と弁解するかも知れませんが、それならば、除霊が必要な危険な ことに子供を巻き込むというのは、児童福祉法とか児童憲章に違反するのではないかとも 言えそうです。 　いずれにしても、公共の電波を利用して、子供の興味本位で関わらせるようなテーマで はないと、私は思います。ウチの子はよくこの番組を見ていますが、私は、つまらんもの 見てるんじゃない、と言って消したりするのですが．．． 　諸君は、心・魂・霊とは、いったい何だと思いますか。 心と脳 　話を戻して、脳の部位ごとの機能が研究され始めたのは、19世紀に入ってからです。そ の頃、顕微鏡と細胞染色技術の進歩で、脳などの細胞組成の研究が可能になってきました。 　また、1970年代以降、ＣＴ（computed tomography，コンピュータ連続断層撮影法）や ＭＲＩ（magnetic resonance imaging，磁気共鳴画像法）の技術が確立されてからは、体 を切ることなく断面を見たり、血液の流れを見た りすることができるようになりました。楽しいと き、怖がっているとき、本を読んでいるときなど に、脳のどの部分に沢山血液が流れているかをリ アルタイムで見ることができます。 　大雑把にいうと、脳の表面に見える大部分は 「大脳皮質(ひしつ)」と呼ばれるものです。そのうち、 「後頭葉(こうとうよう)」は目からの神経が繋がっていて視覚信 号を認知します。「側頭葉(そくとうよう)」は聴覚と話すことを 統合して認知します。「頭頂葉(とうちょうよう)」は手やその他の 皮膚からの知覚シグナルに対する応答を調節しま す。そして「前頭葉(ぜんとうよう)」は筋肉などの運動を制御す ると共に、他の３つの領域の機能を調節します。 　大脳皮質の内側には「大脳辺縁系(へんえんけい)」というひと まとまりの構造体があり、喜怒哀楽、空腹感や食 欲、記憶の取捨選択などを司(つかさど)り、体全体を制御 するホルモンなどを生産します。麻薬などで最も 影響を受ける部分だと考えられています。 　大脳辺縁系の後ろに「後脳」があります。後脳 には「小脳」「脳幹」「延髄」などがあります。 小脳では、体の姿勢を保つ働きや咳(せき)や嘔吐(おうと)を制御 したり、運動機能の情報を蓄えています。 　人類は、大脳皮質が特に発達しており、生物として基本的な機能を司る内側の大脳辺 縁系を覆い隠すようになっています。 　鳥は、運動を司る小脳の割合が大きいそうです。やはり、空を飛ぶとというのは大変な ことなのですね。 　脳の総量は、人間は約1200〜1400グラム程度です。 　これらは互いに、500億から1000億の神経細胞（ニューロン）で連絡を取り合っていま す。このつながり具合、すなわち００３号で言った "脳内リンク" が密なほど「頭がよい」 ということになるのです。 海馬と扁桃体 　大脳辺縁系の中に、海馬(かいば)（hippocampus）という部分があります。 　海馬とはふつう、タツノオトシゴ（竜の落とし子）のことですが、脳のこの部分を海馬 と呼ぶのは、きっと形が似ているからなのでしょう。 　目や耳や手などから入ってきた情報は、一旦、この海馬に入ります。海馬では、記憶す べき情報と捨ててしまうものとに分けて、記憶すべき情報は大脳の各部分に送られます。 　もし情報を取捨選択しなかったら、数分で脳の記憶容量をオーバーしてしまうと言われ ています。 　それでは、海馬はどのような基準で情報を選んでいるのかというと、まだ詳しいことは わかっていません。ただ、なんらかの方法でそれまでの経験（記憶）を参照していると思 われます。 　もし海馬を損傷してしまうと、損傷する前までの記憶はありますが、損傷後は、新しく 記憶することができなくなります。５分程度の短期の記憶は海馬を通さずにできるのです が、長期にわたる記憶はできなくなるのです。実際に海馬を損傷してしまった人は、自分 の行動をメモし続けるということをするそうです。 　扁桃体(へんとうたい)は、海馬の先端にある親指の爪くらいのアーモンド（扁桃）の形をしたもので、 感情を司る働きをします。扁桃体がないと、恐怖を感じなくなります。扁桃体を切除した 猿は、犬や蛇に平気で近付いていきます。何度噛まれて傷だらけになっても、猿は犬や蛇 を見ると近付いていくそうです。痛い目に遭ったという記憶はあるかも知れませんが、そ れが嫌なことであるという感情が記憶されないのです。恐怖心や嫌な思いというのは、身 を守るために必要な感情なのです。 　記憶と感情が大変密接な関係があることは、実感できるでしょう。激しい感情が伴った ことはいつまでも覚えています。楽しいことだけでなく、嫌なことも、一杯記憶に残りま すね。つまり、海馬と扁桃体は互いに連携し合っていることがわかります。これは、気の 持ちようで海馬を "騙(だま)す" と記憶力を上げることが可能だということを示唆しています。 　講演でも、小林教授は「感情豊かに過ごすことが大切」と述べておられました。扁桃体 を活性化することで、脳全体が活性化するというわけです。 海馬は大きくできる 　脳の神経細胞は、生まれた時が最も多く、後は１秒に１個位ずつ減っていきます。とこ ろが、海馬の神経細胞は、次々に死んでいきますが、次々に生まれてきます。海馬に新し い情報がどんどん入ってくると、死ぬ神経細胞より新しく生まれる方が多くなって、海馬 は大きくなります。大きくなると、更に多くの情報を同時に処理することができるように なります。 　逆に新しい情報が海馬に入らなければ、海馬は小さくなっていき、処理できる情報量も 少なくなりますから、記憶力も衰えます。 　人は、窓のない白い壁の部屋のような、極端に情報の少ない状況を強いられると、３日 ほどで脳は自ら刺激を作ろうとします。つまり、幻覚や幻聴が起こったりするのです。或 いは、いらぬことをあれこれ考えたり、突然閃(ひらめ)くかして、犯罪に走ることも考えられます。 　常に新しい風景を見、人と会話を交わす、これが大変良い刺激になるそうで す。ある調査によれば、タクシー運転手の海馬は平均より大きいという結果が 出たそうです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　��

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