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中間考査終了〜合唱コン始動 『早いもんで、もう６月や。』 《みんな、中間試験はどうやった？　模試もあったけど、やはり、校内の定期試験とはか 　なり違うやろ？》 『１年の復習を２年のうちにやっとかな本番に間に合わんからな。溜めこまずに今から少 　しずつやりなさいな。』 《それに、いよいよ合 コンの本格的な練習も始まったな。》 　　　　　　　　　　 『こら、唱の字ィ、ちゃんと入れたらんかい。わざとらしい間違いすんな。Ｇ組、結構い 　いメンバーが集まっとるという声もある。頑張ってや。』 《今年はまだ、あんまり暑くなくて結構や。》 『ほんまや。去年は５月のうちから、数学の職員室では30℃になる日も４〜５日あったか 　らなあ。』 《そいでもって、前回の最後の予告、どないするんや。》 『急に話飛ばすな。予告って、なんやったかいな。』 日中関係 《物忘れ、大丈夫か？　中国はますます圧力を加えてきとるやないか。与党の中からも中 　国の言う通りにせぇという声が強うなっとる。》 『ここは、国連の常任理事国入りがからんでおるので、感情やのうて、戦略的に動かなあ 　かんところや。その場しのぎは通用せんで。』 《それはわかるけど、なんかスッキリせんなぁ。今、小泉首相に靖国参拝をやめるよう言っ 　とる日本の議員たちは、常任理事国入りがからむよりずっと前から、中国の代弁者みた 　いなこと言うとったやないか。そういう人達が中国と一緒になって常任理事国入りをカー 　ドとして利用してるように感じるんや、アテは。》 『何でそういう歪(いが)んだことになるかというと、やはり、罪悪感を植え付ける徹底したＧＨ 　Ｑの占領政策、学校で教えるだけやのうて、ＧＨＱが作ったラジオ番組を朝昼晩流し続 　け、新聞雑誌もすべてＧＨＱの検閲が入るということが７年間も続いたんやからな。そ 　れに、「友好」とは反論しないこと、相手のいうことに逆らわないこと、波風を立てな 　いこと、と日本人は思っとる。この価値観の起源はよう分からんけど、みんなの友達関 　係でもそうやないか？　意見が違(ちご)うたら、もう友達でおれんと思ってしまうんとちゃう 　か？　何でも「はいはい」って言うのは、友好でも友達でものうて、相手に従属してい 　るか、相手を馬鹿にしてるかのどちらかや。国と国の友好関係とはどういうことなのか、 　個人レベルの友達関係と同じイメージじゃまずいと思うんや。きちんと国家戦略を踏ま 　えて理念としてしっかり意識せな、ほんまに従属国になってしまうでぇ。』 《10年前、当時の中国の李鵬(り　ほう)首相が「日本は20年もしたらこの地球上から消えてなくなる 　国だ」って発言したそうやけど、あと10年、何だか、ほんまにそうなるんとちゃうかと、 　心配になってきたなぁ。》 『日本以外の国は自国の利益を最優先に考えておる。特に中国は、日本が国連安保理の常 　任理事国になるのは絶対に阻止せなあかんと考えとる。なぜなら、中国は、自分が常任 　理事国であることが唯一、国際舞台において日本の上にある証(あかし)と思うとるんやからな｡』 《中国の誇りはアジアのリーダーであること、戦勝国やというところにあるんやな。そや 　さかい、敗戦国である日本が同じ地位に入るなんて、とんでもないと考えるわけや。》 『そう。中国の人民に、現政府の正統性を説得できなくなってしまうんや。それに、靖国 　参拝中止の要求は、むしろ、参拝をやめさせることそのものよりも、日本の内側から国 　を分裂させて、政治的に弱体化させるためだという説もある。李鵬首相のあの発言は思 　いつきではなくて、日本を消すというのが中国の国策として、一貫して指導者に引き継 　がれているとも言える。』 《そらそうやな。もし、小泉首相が参拝を取り止めたら、中国は日本の常任理事国入りを 　認めるのかというと、そんなはずはないしな。自分のアイデンティティーにかかわるん 　やさかい。》 『そう。必ず別の要求を持ち出して常任理事国入りに反対する。言うこと聞かんと、新幹 　線を日本に発注しないぞとか、中国での経済活動の制限もちらつかせる。靖国が問題な 　んやなくて、日本の常任理事国入り阻止が目的なんやということを忘れたらあかん。』 《靖国神社にＡ級戦犯が祀(まつ)られているから総理が参拝してはイカンというとるようやから、 　靖国神社からＡ級戦犯の霊を別のところへ移したらどうなんやろ。》 『実際、そういう案もある。いわゆるＡ級戦犯分祀(ぶんし)っていうやつやな。それは、今のとこ 　ろ靖国神社が拒否しとるし、遺族もそうやろ。それに、分祀したからって、やはり、中 　国が日本の常任理事国入りに反対であることに変わりはない。』 《ということは、常任理事国入りをやめることが一番 "友好的" なわけやな。》 『そうすれば、そのことについては「イイコ、イイコ」って褒めてくれるかも知れへんけ 　ど、今度は、靖国参拝と国連改革は別問題だといって、やはり、靖国参拝はやめろ、Ａ 　級戦犯を神として祀るのはやめろと言うに決まとる。火を見るより明らかや。』 《なんや、それやったら、日本は全部取られておしまいか。》 『今のままではそうなりかねん。中国の究極の目的は、オレの子分になれってことや。』 《ほな、どうしたらええと思うの？》 『アタシは素人やけど、戦略的には中国の要求は飲まんほうがええと思う。厳しい情勢に 　はなるが、楽して外交を乗り切ろうなんてでけへん。いつもこちらが要求を突きつけら 　て後手(ご　て)に回されてきたけど、ここからは、中国を後手にまわさなあかん。安保理で拒否 　権を発動するかも知れへんというけど、本当に中国は単独ででも拒否権発動するかどう 　か、中国に選択を迫ればええ。ロシアの出方はどうか、拒否権を発動したら誰がどんな 　得や損をするのか、客観的に予測を立てて戦略を練らなあかん。その間、戦後の日本の 　平和志向と実践、とりわけ国連への寄与については宣伝し続ける。"続ける" ことが大 　事や。』 《なんか、中国の強引なやり方は、むしろ、日本を鍛えてくれてる、なんて感じもしてき 　たなぁ。》 『そや。それくらい図々しく構えてもええかも知れへんな。』 《実はなぁ、小学校だったか中学校だったか忘れたけど、初めて "えいきゅうせんぱん" っ 　て言葉聞いてからしばらくの間、アテは "永久戦犯" かと思うてたんや。》 『なるほど。けど、案外、的を射(まと　　い)てる感じもするなぁ。』 《それはそうと、今の中国政府は、戦後できたんやろ？》 『そうや。今の共産党独裁による中国の北京政府は、厳密にいえば、日本と直接戦争して 　勝った政府やない。中華人民共和国ができたのは1949年10月１日で、日本が負けて４年 　たってからや。日本は、南京を首都とする国民政府と戦争をして敗れたんや。アメリカ 　も、国民政府を支援しておったんや。』 《真珠湾より前に、アメリカは日本との戦争に参加しておったんやな。》 『そうや。国民政府の蒋 介石(しょうかいせき)を支援するという形でな。』 《戦争中、共産党は何しとったん？》 『とりあえず、共通の敵、日本と戦おうということで、内戦を中断して国民党と共産党は 　協力し合うことにしておったんや。これを国共合作(こっきょうがっさく)っていうんや。けど､前線で戦っ 　とったんは国民党で、共産党は農村や山村地域に引っ込んで、背後から国民党を支援す 　る形にしておいて、その間にソ連の援助で着々と活動拠点を確保しておったんや。』 《それで、戦後に国共内戦を再開して共産党が勝てたんや。》 『そうや。1945年の国連設立当初の中国は、蒋介石の国民政府で、常任理事国は、蒋介石 　の中国やったんや。それを、内戦で共産党が政権を奪取(だっしゅ)して、敗れた 蒋介石は、日本 　の撤退した後の台湾に逃れ、その後の台湾と大陸との面倒な関係が始まったんや。そし 　て、そのまま、北京政府が常任理事国に納まったっちゅうわけやけど、戦勝国、つまり 　常任理事国の資格をなぜ、蒋介石が引き継げなかったのか、その経緯(いきさつ)はまだ勉強しとら 　んので、ようわからん。ともかく、当時の中国共産党の毛沢東(もうたくとう)主席は、自分たちが政権 　を取れたんは日本のお陰と言うとったくらいや。台湾については、また別の日に話さな 　あかんと思うとるんで、今日はやめとこ。』 《アテも、話が広がってわけ分からんようになってきたさかい、"えいきゅうせんぱん" 　の話に戻してんか。》 『そうしよ。それにしても、もう、ひらがなやのうて、"Ａ級戦犯" と書いてええやろ。』 《そうやな。で、Ｂ級とかはあるの？》 『ある。Ｃ級もある。けどこれは、罪の軽重(けいちょう) やなくて、極東軍事裁判条例の中の分類項 　目名が（ａ）（ｂ）（ｃ）となっているための呼び名なんや。（ｂ）項は捕虜の虐待な 　どの「通例の戦争犯罪」、（ｃ）項は「人道に対する罪」に違反したものや。ＢＣ級戦 　犯は約5600人ほどで、日本以外にも上海やシンガポール、マニラなどの各地で裁判が行 　われ、1000人近くが処刑されたんや。その中には南京で「百人斬り競争」をしたとされ、 　後に、それが全くの作り話であったことが判明した２人の少尉も含まれとる。』 《証拠の検証が不十分だったんやな。》 『実は、その「百人斬り」を報じた日日新聞（現在の毎日新聞）の当時の記事の写真がい 　まだに「沖縄戦　衝撃の記録写真集」（月刊沖縄社）に使われておるんやけど（※）、 　せっかく、沖縄の本当に悲惨な戦争体験を伝えようとしている写真の中に、沖縄と関係 　ない、しかも、捏造の事件であるものを混ぜて入れておくというのは、沖縄戦に対する 　信憑性(しんぴょうせい)も疑われてしまうことになって、残念や。』 （※）修学旅行の下見にいったときに購入。その写真の横には「1994年６月に、２人の写真を撮った 　日日新聞のカメラマンが「百人斬りは同行記者のデッチあげだった」と否定している」という説明 　が入っている。改訂時に加筆したものと思われる。それでもなお、写真を載せ続ける意図はよくわ 　からない。その写真集には、今では証拠能力がないと証明されているいわゆる南京大虐殺の "証拠 　写真" が載せてある。この写真集は、沖縄戦の写真集というよりも、日本軍の残虐性を表現するた 　めに沖縄戦の写真も使っているという印象を私は持った。 《そういうのを玉石混交(ぎょくせきこんこう)っていうんやろ。》 『そうや。玉、つまり価値あるものと、石、つまり価値のないものが入り混じっていると 　いうことで、そうしたものは、価値あるものの価値が見えなくなって、全体の価値が下 　がってしまうという意味が込められてる言葉や。』 《"味噌もクソも一緒にする" ともいうな。》 『それはちょっと下品な言い方やさかい、あまり使わんほうがええで。 　さてと、Ａ級戦犯やけど、中国はＡ級戦犯に非常にこだわっとる。ＢＣ級戦犯が靖国に 　祀られてて首相が参拝するのは構(かま)へんというとる。そこで、Ａ級戦犯について勉強して 　おかな、中国と対等に対話はできん。対等に対話もできんのに、友好などあるはずもな 　い。』 《そうやな。それじゃあみんな、Ａ級戦犯について調べてみよう〜。》 『なんや急に。教育テレビみたいな言い方やなぁ。ほな、行こか。』 《えっ、どこ行くの〜？》 『調べに行くんや。はよせぇ。』 《ちょ、ちょっと待ってぇな〜。みんなやのうて、アテらが調べんのかいな〜。ヒェ〜。》 東京裁判（極東国際軍事裁判） 　1946（昭和21）年５月３日から1948年11月12日まで、東京で極東国際軍事裁判、いわゆ る東京裁判が行われました。ＧＨＱによる日本占領政策の一環としてマッカーサーが指揮 したもので、日本の戦争責任について、個人を特定して裁き、刑を決定するのが目的です。 　裁判官は、米国、英国、ソ連、フランス、中華民国、オランダ、カナダ、オーストラリ ア、ニュージーランド、フィリピン、インドの各国から１名ずつの計11名です。裁判長は オーストラリアのウエッブ判事が務めました。戦勝国が敗戦国を一方的に裁く形になって います。ここで、中華人民共和国は入っていないことには注目しておきましょう。 　Ａ級戦犯として起訴された日本人は28名です。そのうち２名は裁判中に病死、１名は精 神障害で入院、判決を受けたのは25名です。うち、７名が絞首刑、２名が20年と７年の禁 固刑、他は終身禁固刑となりました。 　1948年12月23日、極秘に巣鴨刑務所で７人の刑が執行されました。この日が、当時の皇 太子（現天皇）の15歳の誕生日であったことが偶然かどうかは、私にはわかりません。 　この東京裁判では、実は、インドのラダ・ビノード・パール判事一人だけが全員無罪の 判決を下し、その判断は、現在の世界の法学界の定説になっているのです。詳しくは次回 以降に回すとして、その最大のポイントをここでひとつだけ挙げておくと、東京裁判は 「法の不遡及(ふそきゅう)の原則」に反しているという点です。つまり、法律をあとから作ってその法 律ができる以前の行為に遡(さかのぼ)って罰することはできないのが法の大原則なのに､ 東京裁判では、戦争が終わってから戦争責任を問う罪状を決めたという点で違 法、従って28人全員無罪ということなのです。　To be continued...　　　��

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