夏は去りぬ ← 完了の助動詞
高校の２度目の夏休みも終わってしまいました。これで高校生活も半分終わりです。
班活三昧だった人も多いと思います。どこか、旅行に行きましたか。あるいは、冷房の
効いた部屋で読書なんて人もいるかも知れませんね。テレビゲームばっかりで現実世界か
ら
宿題は、ちゃんとやってありますか？ あしたは宿題テストです！
私は、今年は旅行へも行かず、テレビをかなり見ました。それも、ケーブル・テレビの
ヒストリー・チャンネルや日本映画専門チャンネルなどで、終戦60周年特集のようなもの
を中心に見ていました。とりあえず録画して、まだ最後まで見ていないものもあります。
戦争はなぜなくならないのか
戦争を後世へ伝えるのがだんだん難しくなってきたと、いくつかのテレビ番組で聞かれ
ました。２～３年前だったでしょうか。渋谷を行く15～６歳の "ファッショナブル" な女
の子が、テレビのインタビューで、日本が昔、アメリカと戦争したことを教えられ、「え、
ほんと？ いついつ？」とびっくりしていたのを見て、私はその女の子よりもっとびっく
りしたのを覚えています。
さて、今の平和教育は、戦争の悲惨さを伝えることだけに偏り過ぎてはいないだろうか
と思います。実際、広島の学校のある若い先生が、小学校、中学校、高校で同じような戦
争体験談などを繰り返し聞かされたとき、あぁまたか、と思うようになってきたという話
が、テレビで紹介されていました。その先生は、ただ悲惨さを教えるだけでなく、もっと
戦争を多角的に捉える必要があると考え、平和教育のあり方を模索中ということです。
それに対して先輩教員は、悲惨さを教えなければ戦争をゲームのように考える人が増え
てくるので、悲惨さを何度も聞かせることは必要だといい、二人の先生は議論します。
悲惨さは分かった。それではなぜ、そんな悲惨なことをするのか、という話になると、
途端に難しい問題に直面します。立場が違うと、まったく異なる話になってしまうのです。
広島・長崎の原爆がもたらした惨状は、写真や絵などで共有することは可能です。原爆
使用を正当化している米国人でも、写真などを見れば、その悲惨さは日本人と同じように
理解はできます。（日本への原爆投下の正当性は変えないだろうが）
それでは、なぜ原爆を落とす必要があったのかという話になると、日米で共通理解をす
ることは大変難しくなります。
米国の言い分は、沖縄からそのまま本土に上陸していけば、数十万の米兵の命が失われ
る。原爆はその命を救ったのだ。ということで、今も米政府の見解は変っていないし、米
国の学校ではそのように教えているようです。
原爆を落とされても仕方がないほど日本は悪い国だったということを日本人がいうのは、
自虐を通り越して、リンチを容認する発言として決して受け入れることはできません。し
かも、「悪い国」という評価の仕方は正しくないと私は思っています。
米国内には、「原爆は必要なかった」「実験だった」「米国が世界を支配することを見
せつけるためのデモンストレーションだ」「真珠湾の報復だ」などの声もあります。
「原爆こそ非戦闘員を無差別に殺戮する行為で国際法違反だ」ということは、東京裁判
でも弁護側は主張しましたが、裁判長は、この裁判は日本以外の国の行為を対象にしてい
ないと言って無視しました。
戦争は悲惨、戦争はない方がいい、それは誰でもそう思います。しかし、現実には、今
でも戦争は繰り返されています。では、どうすれば戦争は避けられるのか。すぐに答えが
見つかるというものではないですが、考え続けなければならないテーマです。
戦後60年がたちました。あと７年で "独立" 60周年です。日本は自国の歴史をもっと客
観的に見るべきではないかと思います。むしろそれが、過去の失敗を素直に失敗と認めて
真の反省となり、前車の
うか。本紙がその一助になれないかと、思っているわけです。
"過ちは二度と繰り返しませぬ" の主語は？
広島の平和記念公園の原爆慰霊碑には「やすらかに眠って下さい。過ちは二度と繰り返
しませぬから」と書いてあります。私は、だれが過ちを繰り返さないと言っているのか、
その主語について考えることがあります。
あるいは、そもそも碑文の「過ち」とは何を指しているのかを考えたりします。原爆を
落としたことなら主語は「米国」、落とされても仕方のないようなことをしたというのな
ら主語は「日本」となるでしょうが、後者は先ほど述べたように容認できる解釈ではあり
ません。それとももっと大きく、理由を問わず戦争そのものを「過ち」とするなら、戦争
の当事者みんなが主語になるでしょう。
私がこんなことを考えるようになったのは、1983（昭和58）年に当時の中曽根首相がレー
ガン米大統領との会談で、「日本列島をアメリカの不沈空母にする」と発言したことがキッ
カケだったような気がします。
そのとき、なるほど、「敗戦国になってしまった」という過ちを繰り返さないと言って
いるんだな、と私は感じ取ったのです。今度コトがあれば戦勝国になれるように努力する
ということなのかな、と思ったのです。言っておきますが、慰霊碑の碑文そのものの話で
はなく、それになぞらえての話です。
中曽根・レーガン時代は、ソビエト連邦もまだ元気で、ソ連のアフガン侵攻（1979年）
もあって東西冷戦の強まっていた時期です。ソ連の覇権主義（大国が政治的、経済的に中
小国を支配するという考え方）から日本をいかに守るかということで、中曽根政権は「日
米は運命共同体」と表明し、極東ソ連の軍事力を抑え込むために、アメリカは日本列島全
体を使ってよいという意味で先の「不沈空母」発言が出たわけです。
マスコミも左派も大騒ぎしましたが、1985年、ソ連にゴルバチョフ大統領が登場し、ソ
連の経済の行き詰りを打開するために米国との対決路線を放棄することを表明するにいたっ
て、「日米運命共同体」の根拠もなくなって宙ぶらりんの状態になってしまい、いつしか
忘れ去られてしまったのでした。
しかし今も「日米同盟」として、日本は米国と運命を共にする体制には変りはありませ
ん。ただ、日本列島を米国に使わせるのではなく、日本自身が使うようにしていこうとい
う、ちょうど変り目のようでもあります。
防災の日 ～９月１日～
夏休み中に大きな地震を３度感じました。
１度目は山中湖の合宿２日目の夕方。とても大きな横揺れが長く続きました。私の両親
の住む千葉県や自宅のある区の震度が大きかったので、揺れが収って１分もしないう
ちに両親に電話してみましたら、すでに通じない状態でした。３～４度のリダイヤルで
つながり、両親とも無事で、物が落ちるなどの被害もなかったということで安心しました。
自宅へはすぐにつながり、こちらも家族３人とも家におり、大丈夫だということでした。
その後、その区は震度５強だったという発表がありましたが、ウチでは物が落ちることも
なかったので、わずかな場所の違いで揺れも違うのかなと思いました。
２度目は、区の花火大会で河川敷に腰を下ろしているときでした。お尻の下の
地面が本当に揺れて、文字通り "地震" を実感しました。
３度目は宮城県南部を震源とするもので、自宅にいるとき、これもゆっくりとした大き
な横揺れでした。ウチはマンションの１階なので、やはりちょっと恐いです。外に飛び出
したくなる気持ちもわかります。
よく、地震があったら火を消せとか、窓やドアをあけて出口を確保しろとか、テーブル
などの下に隠れろとかいわれますが、実際にはどれもできないのではないかと思いました。
しかし、いろいろ想像をして心構えを作っておかないといけないとも思いました。
ところで、９月１日が防災の日になった理由はご存知ですか。
1923（大正12）年９月１日のちょうどお昼に、伊豆大島付近を震源とするＭ7.9の大地
震が起こり、東京・神奈川を中心に死者・行方不明者14万2800名という大変な大災害とな
りました。いわゆる関東大震災です。お昼時ということで、犠牲者の多くは地震直後に発
生した火災によるものと言われています。この大災害を忘れないようにと、1960年に防災
の日に制定し、毎年、この日を中心に各地で防災訓練が行われるようになりました。
震災の様子は、写真なら
国立科学博物館地震資料室
http://research.kahaku.go.jp/rikou/namazu/index.html (リンク切れ2017.5.23)
また、貴重な動画（白黒、無声）が
兵庫県篠山市教育委員会ビデオ図書館のコンテンツ "アーカイブズ"
http://edu.city.sasayama.hyogo.jp/video/mukashi.html (リンク切れ2017.5.23)
から見ることができます。今は高層ビルがあるので、道路を塞ぐものも巨大で、重機は発
達しているとはいっても、復旧作業はもっと難しいだろうと想像できます。
ついでの話で、本校の前身である東京府立第八中学校が開校したのがこの年の４月です。
震災当時はまだ本校舎は完成しておらず、近くの荏原郡品川町
の校舎の一部を借りていました。翌年４月に平塚村小山に新校舎の一部が完成しています。
この三木尋常小学校は、その同窓会のホームページにある文章によれば、震災の前年、
1922（大正11）年に開校しています。その文章は、震災の翌年（大正13年）に転校してき
た人のもので、「真新しい木造２階建て…の裏側の教室には東京府立第八中学校が同居し
ていた。」とあります。
これからすると、この三木尋常小学校は、大震災にも耐えたように思われます。
と、関東大震災と小山台の意外な関係の話でした。
雷
この夏は、各地で落雷が多かったようです。ウチも、雷で停電しました。懐中電燈はど
こだ？ 子供がふだんオモチャにしてて、結局壊してしまったままでした。停電は１分ほ
どで回復しました。翌日、早速懐中電燈を買いました。
「地震・雷・火事・親父」といわれるように、雷を軽く見てはいけません。いろいろ世
間で信じられていること、たとえば、ヘアピンやネックレスなどの金属に落ちるとか、避
雷針のある建物の近くには落ちないとか、どうも、あまり当てにならないようです。
金属を身につけた人形と全く金属を身につけない人形を並べて落雷実験をしたところ、
半々に落ちるそうです。
また、避雷針に落ちずにその近くの低い建物に落ちることもあるし、公園の公衆トイレ
くらいの建物だと、ブロックを突き破って、中にいる人に落ちることもあるそうです。
木の下は危険です。人体は木よりもずっと電気を通しやすいので、一旦木に落ちても、
木の幹の途中や枝の先から人へ放電します。この現象を「側撃」といいます。
木から離れていても、地面を伝って感電することもあるそうです。海に落ちると、海水
や濡れた砂を伝って感電したりします。
街の中では、鉄筋コンクリートの建物の中に避難するのが最善です。ただ、テレビなど
の家電製品から１ｍ以上は離れる必要があります。自動車の中も安全のようです。
周囲に何もないところでは、できるだけ身を低くして雷がやむのを待つこと。
それに、雷は遠くの方からだんだん近付いてくるとは限りません。真上の積乱雲から、
１発目が落雷することだってあります。とにかく、音が聞こえたら１発目は免れたと感謝
して、早く安全な場所へ避難することです。
雷の中で凧を上げて、雷が電気であることを発見したフランクリン（※）は、大変運が
良かったのです。それ以降、真似をして命を落とす人が多かったそうで、今ではこの逸話
はあまり紹介されなくなっているそうです。良い子は、絶対に真似してはいけません。
（悪い子も、普通の子も、そして、大人もです。） この逸話を書いてしまった私は、一
切責任は負いません。
（※）Benjamin Franklin，1706～1790。アメリカ合衆国の政治家、外交官、著述家、物理学者、気象学
者。アメリカ独立宣言の起草委員。米100ドル紙幣の肖像になっている。避雷針を発明。
９月は小山台の燃える月です。団長の発声練習も始まりました。寒菊祭もちょうど６０回目。伝統ある運動会、文化祭、みんなで協力し合っ
て素晴らしい "作品" にして下さい。"It's a KOYAMADAI" です。 〟