総選挙
郵政民営化関連法案が参議院で否決されたため、小泉首相は８月８日に衆議院を解散し
ました。衆議院では可決したのに衆議院を解散するという、これまでの常識では考えられ
ない解散でした。
参議院では、予想を上回る反対票がありました。法案の修正も認めない、反対した自民
党員は処分するという小泉首相の強引な手法に反発して反対票を投じたり棄権したりした
人も何人かいるようです。
小泉首相は、郵政民営化の是非を国民に問うための選挙といっていますが、総選挙は特
定の事案に関する国民投票とは違うということは、正しいことです。解散のキッカケは郵
政民営化だったかも知れませんが、選挙後の国会、内閣が郵政民営化だけを扱うのではな
いということを念頭に有権者は投票しなければなりません。年金問題などの社会福祉、テ
ロ対策などの安全保障、そして、憲法改正について、それぞれの候補者がどういう考えで
いるのかを見るようにしたいと思います。
選挙後の様子を想像してみます。
自民・公明＋αで過半数を取れば郵政民営化を推し進めることになるでしょうが、参議
院で否決されていますから、今度の衆議院では３分の２以上の賛成がなければ可決されま
せん。賛成派だけで３分の２以上の議席が取れなかったら、郵政民営化が決まった後の内
閣改造の際に大臣にしてやるぞとかなんとかいって反対派の人の取り込みをするかも知れ
ません。
もし、民主党＋αが過半数をとれば、郵政民営化法案はこのまま廃案にするか、２年前
に公社化したときの約束により２年後の見直しに向けて継続審議にするかというところで
しょう。
どちらも過半数を取れなければ、どの政党どうしが手を組むのか、或いは政党の分裂・
新党結成などでいわゆる政界再編が起こる可能性があります。
次に、郵政法案がいずれの形にせよ決着がついたあと、郵政法案に反対していた議員た
ちがどうするのかが注目されます。小泉首相は、郵政法案が可決されることを前提にです
が、他の法案では元々自民党だったのだから協力してもらえると思うと言っています。も
し、新党や無所属の人達が自民党に戻るとすれば（戻らないまでも全面的な協力を表明す
れば）、今回の小泉票も元自民党員の反小泉票も結局は両方とも自民党の票という結果に
なります。選挙後に政党を異動するというのは、私は有権者を騙すことになると感じます
が、違法ではないようです。しかし、ますます、選挙へ行く気が失せてしまうでしょう。
今度の選挙結果で私が一番気掛かりなのは、他国の顔色を伺って首相を決めるようなこ
とになりやしないかということです。たとえば、靖国参拝をしない人とか、要求されるま
んまに戦争の謝罪を態度で示すために無償援助をしたり領土や資源開発で譲歩して波風立
てないようにしようとする人とか、永住権を持つ在日外国人に日本の選挙権を与えること
に賛成の人とか、何かそうしたことを基準にして日本の首相が決められるとすると、もは
や日本は独立主権国家とは言えなくなります。国連安保理の常任理事国どころではありま
せん。
ナマの教材
日本の学校は、現実の政治をリアルタイムで話題にすることを
小泉内閣を支持するかなどと無造作に諸君に質問したら、私は何等かの指導とか処分を受
けるでしょう。日本では、現実の社会について生徒に意見を言わせるには細心の注意が必
要です。
しかし、例えばアメリカの大統領選挙の最中、アメリカでは小学校でも、民主党と共和
党の主張の違いを考えさせたり、自分はどちらを支持するかを生徒に発表させているよう
すがテレビで紹介されたのを覚えています。目の前で行われている大統領選挙は最適の生
きた教材だと言っていました。
ビジネスや政治の世界で、自分の会社や自国の利益のために議論をするとき、子供の頃
から現実の社会に目を向け、自分の意見を発表する訓練をしてきた人と、大学でも世間か
ら隔離された机上の知識ばかりを学んだ人とでは、どちらがうまく相手を言い負かすこと
ができるでしょうか。
政治だけでなく、たとえば、学校の文化祭などの模擬店で利益を出してはいけないとい
う指導をします。しかし、これほど現実社会から遊離した話はありません。なぜ学校では、
いかに利益を出すかということを教えてはいけないのでしょうか。原価計算から宣伝の仕
方などを学ぶ良いチャンスでしょう。強引な客引きやキャッチセールスは違法です。
都立高校では、利益はどこかへ寄付するしかないでしょうが、寄付だって、できるだけ
多い方がいいでしょう。
我々の心の奥には、お金は汚いものという意識はありませんか？ かつて江戸時代には、
お金を扱うのは身分の卑しい者がすること、という意識が上層の身分の人達にはありまし
たが、案外、現代の日本人にもあるのか知れません。
日本の学校は、株の話も最近まではタブーでした。しかし最近では、パソコンを利用し
た株取り引きのシミュレーションや、チームで会社経営を模擬体験する授業なども一部で
始まっているようです。
さて、諸君は、何の努力もしなくてもあと３年程で選挙権が得られます。そのとき、自
分の判断で１票を投じることができるようになっていることを願います。
高校野球
この夏、大きな不祥事が２件ありました。ご存知のように、高知の明徳義塾高校と南北
海道の駒大苫小牧高校です。
明徳は、甲子園のトーナメントの組合せが決まったあとの事件発覚という異例のことで
した。駒大苫小牧は、甲子園での優勝、しかも、57年振り６校目の夏連覇のあとの発覚と
いう、これまたもっと異例のことでした。
前者は、野球部員どうしの暴力事件ということで、生徒へのペナルティとなる処分でし
たが、後者は、指導者による対生徒暴力で、優勝はそのまま、秋期大会へも出られるとい
うことになりました。
いろいろな人がいろいろなことを言っていますが、いずれの意見にも共通しているのは、
こうした暴力ざたは氷山の一角に過ぎないだろうということです。ほとんどは、生徒も親
も学校もみんな、甲子園に行きたいという一致した利害関係で、表に出さないだけだとい
うことです。これは野球に限らないと思います。
また、特に高校野球の場合は、学校の部活動としては肥大化し過ぎているという指摘も
多くなされています。何かあればすぐに "教育の一環" というのですが、もはや、本来の
学校の担うべき教育の一環には収り切れないことによる歪が出てきているという点です。
プロまであってこれほど盛んな野球選手の育成が学校の部活だけに頼っているというの
は、無理があるように思います。技術の向上という面からも、プロの指導を受けることの
できる地域のリーグのようなところで選手を育てることも必要だろうと思います。
それにしても、駒大苫小牧の事件で、甲子園の宿舎でスリッパで殴ったその理由が情け
ない。スタミナ不足を防ぐためにご飯は３膳以上食べるという "ルール" に違反したんだ
そうです。それに何でスリッパなんでしょう。ッタク．．． 言葉もありません。
げすのかんぐり
私などは、すぐにゴシップ紙的なかんぐりを入れたくなります。たとえば、駒大苫小牧
の話を聞いたとき、ごく素朴に、なぜその特定の生徒が何度も殴られることになったのか
という疑問を持ちました。２度目はご飯を３膳食べなかったことが直接の理由としても、
地方予選の時にも同じ生徒が殴られているようで、どうもこれまでのいろいろ何か積み重
ねがあったのではないかと感じられます。暴力事件があると、なぜ暴力を振るうことになっ
たのかという話は、世間ではタブーになっているように私は感じています。特に教育現場
においては、暴力の被害者は無条件に善人扱いとなります。そのためになおさら、一部の
雑誌などの恰好の餌食となり、その辺をすっぱ抜かれたりするわけです。
また、スポーツのいわゆる "名門校" は、ちゃんと高校卒業の条件を満たすだけの教科
をきちんと勉強してるんだろうか、なんてことも考えたりします。スポーツに限らず、特
に私立の進学校に対しても、同じようにかんぐりたくなります。
もっとも、スポーツの場合は "体育科" のような学科にして、体育の授業を大幅に増や
し、そこで特定の競技の練習をやるということは行われているようです。もちろんこれは
合法的です。
話はガラッと変わって、車内の吊り広告に「警察署←痴漢・暴力・破壊→警察署」と書
かれた駅の看板をデザインした図の下に、「車内や駅での痴漢・暴力・破壊行為は犯罪で
す」と書いてありました。
痴漢や暴力は、右左どっちへ行っても行き先は警察しかないということなのしょうが、
普通、前の駅、次の駅を書いた駅の看板は、一方向の動きで見ます。つまり、この痴漢は
警察署からきて痴漢をやってまた警察署へ行く、というように私には見えたわけです。す
ると、この痴漢は再犯ということかな、などと、くだらないことを電車の中で考えていま
した。
さらに、わざわざ「車内や駅での」をつけた目的は何だったのでしょうか？ 車内や駅
以外の痴漢は犯罪ではないのか、と突っ込みたくなります。
親日人物名簿
韓国の民族問題研究所と親日人名辞典
れる予定者」の１回目の名簿3090人を発表しました。その中には、
ています。
編纂委員によると、「植民支配時代（1910～45）の国権剥奪に協力した者、日本の植民
統治機関に参加した者、抗日運動を妨げた者」などが選定理由ということです。これは、
実際に親日行為を行ったのではなく、単にその時代に公職にいたというだけで親日派と定
義づけていて、朴元大統領の長女が党首を務めている野党ハンナラ党は「政治的だ」と反
発し、与党ウリ党は「歴史を正す作業」と評価しているとのことです。
この人名辞典は、２年後に出版予定です。
韓国政府は昨年３月に、「日帝下の親日・反民族行為真相糾明に関する特別法」を可決
しており、この名簿とは別に調査が進められています。
それをもとに、親日派と
で、ものすごい国だなあと、改めて思います。それに、この法律は、事後法（過去の行為
を罰するためにあとから作った法律）ではないかという反論もあります。
もっとも、支持率が急落している
持しようとしているという見方も強いようです。
さて、中国ばかりでなく、韓国についても勉強して話をしたいと思っています。結構生々しい話になるかと思いますが、先ほども話したように、学校がい
つまでも現実社会から遊離しているわけにはいきません。 〟