側室制度と不倫
15日（日）のテレビ番組「サンデープロジェクト」（テレビ朝日）に、前原民主党党首
が出演し、皇室典範改正について、国民が側室制度（※）を認めない限り男系継承の維持
は難しいから、女系天皇もやむを得ない、という意見を表明しました。
（※）側室 辞書（明治書院「精選国語辞典新訂版」）によれば、「側は
人の
妾とは「正妻のほかに養い、愛する女性。「目を掛ける」の意。」とある。
洋の東西を問わず、王室などは、男系を維持するために側室制度を設けてきたのは事実
です。近代日本においては、大正天皇が側室の子（庶子）ですが、大正天皇は
后以外に妃をとりませんでした。しかし、依然として宮中には多くの側室がおりました。
昭和天皇は、大正天皇の摂政時代に側室を廃止し、昭和天皇の皇太子（
命中は平成天皇とは呼ばない）には、民間から
前原氏は、今は側室は容認されることはないだろうという前提にあのように述べたわけ
ですが、一部には、側室を設けてでも男系を維持すべきであるという意見もあります。そ
れを、天皇の
私たちは、配偶者以外の異性と関係をもつことを "不倫" と称して、人の道（「倫」の
字義）をはずれた行いと考えますから、側室制度は、まるでお妃公認で不倫相手を
いておくようなもので、とても容認できるものではないということになるわけです。
ノンフィクション作家の工藤美代子氏によれば、昭和天皇が
内親王（女子）を
天皇陛下に側室を持たせたらどうかという話題があがり、実際に、家柄も良く、器量も良
いお嬢さん方が候補として選ばれたそうです。しかしその時、昭和天皇は「自分は人倫に
当時は、決して女系でも良いではないかという話は出なかったということです。
その後10年近くたって親王（今上天皇）が生まれたことで、当時、内親王が続けて４人
生まれたときに騒いだ人達は結果的に間違っていた、余計なことをしなくて良かったと、
工藤氏は述べています。
そして、今慌てて、僅か一年にも満たない議論で結論を出そうとするのは全く間違って
いると言っています。（http://japan.arrow.jp/blog/2005/12/post_24.html）（←リンク
切れ2017.5.24）
確かに、もしこの先、皇太子殿下に男子（愛子内親王の弟）ができても、有識者会議の
報告では、
継承できないことになります。
長男ではなく、男女問わず第１子に後を継いでもらうという感覚は、民間にもそれほど
浸透しているとは思えません。それなのに、皇室の男系継承の長い伝統をこういう形で打
ち切って良いのかという疑問は、私にも理解できます。
しかも、28日の小泉首相の発言が、一層慎重論に拍車をかけています。
その発言とは、「仮に愛子さまが天皇になられたときに、そのお子さまが男子でも（皇
位継承を）認めないということになる。それをわかって反対しているのか」というもので
す。それに対して、「そんなことは始めからわかっている」という当惑の声が上がってい
ます。つまり、首相は何が今議論の的になっているのかが、実はよくわかっていないので
はないかということです。それ以前から、小泉首相は女系と男系、女系と女性の違いもよ
く分かっていないようだ、という観測が流れていたのだそうです。
どうも小泉首相は、自分の任期中（今年９月まで）に変えられるものは変えることに意
義があるという考えなのではないかと、私にも思えてきました。
そのうち、「皇室の民営化」なんて言い出すのではないかと、ちょっと心配です。
統合の象徴をめぐって分裂
憲法第１条（天皇の地位・国民主権）
天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存
する日本国民の総意に
ここにはふたつのことが規定されています。
ひとつは、天皇が、特に日本国民
の地位は、主権者である日本国民の
さて、皇室典範改正論議で私が気になることは、男系か女系かということもさることな
がら、その議論の過程です。
今回の有識者会議の報告に明確に反対する人はもちろんですが、そうでない人からも、
議論が不十分だという声が聞かれます。
よくいわれるのが、この有識者会議のメンバーのほとんどが、女系天皇容認、あるいは
男系に限ることは男女平等に反すると唱えている人だということです。つまり、この有識
者会議は、結論が決まっている議論の、民主的な手続きの体裁を整えるという意味でしか
ないというわけです。ですから僅か30数時間の会議で全会一致の結論が出せたわけです。
それで私は、このような過程で改正されれば、この憲法第１条を踏みにじることになる
のではないかと感じるわけです。
こうした過程で、国民の総意はどう反映されていると言うのでしょうか。
国会で法律などを決める際には過半数を原則とします：
憲法第56条（定足数・表決）
両議院は、各々その総議員の３分の１以上の出席がなければ、議事を開き議決する
ことができない。
② 両議院の議事は、この憲法の特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数
でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
特別の
で過半数で可決したことが参議院で否決された場合は、再び衆議院で３分の２以上の賛成
で可決できること（第59条：昨年、郵政関連法案がこれで可決された）▼議員の除名は３
分の２以上（第58条）、などだと思います。
それに比べて、国民の総意に基づくというのは、賛否をとるわけではないけれど、相当
の重みを感じます。半数ちょっとの支持では総意とはいえないでしょう。
皇室典範の改正は、一法律の改正に過ぎませんから過半数でよいでしょうが、小泉首相
が郵政民営化の時と同じように、小泉直属の有識者会議が出した結論に反対するのは小泉
内閣への反対勢力であるなどといって、力で票をまとめるようなことがあれば、必ずや、
将来に禍根を残します。
前回の最後にも懸念を述べたように、"日本国民
て、国民が分裂することだって、私はあり得ないことではないと思うのです。皇室すらも
分裂するかも知れないと、小説のようなことを想像したりもするわけです。つまり、新典
範による皇位継承者と "旧" 典範による皇位継承者が対立・並行していくという形です。
"21世紀の南北朝" なんて、どなたか、近未来 "歴史" 小説を書きませんか？
ともかく、男系を追求すべきという方も、女系を認めようする方も、共にわれこそが一
番 "皇室のため" を思っていると自負している（だろう）という点でこの対立は厄介です。
そこへ、この機に乗じてなし崩し的に皇室解体を目論むグループが噛んできて．．．
「もったいない」で禁煙成功
125代も続いてきた男系継承を、この国会で早々と打ち切る決定をしてよいのかという
意味で、私は前回、男系そのものの価値というよりも、"続いてきた" ということを、ま
だ時間的な猶予があるうちに捨て去るのはもったいないと思うと述べました。
この気持ちは、私がタバコをやめようとしたときと同じものであると気付きました。
たまたま１日タバコを吸わずにいられたのをキッカケに、タバコは吸いたくなったらい
つでも買いに行けるのだからと気楽に考えて、３日たち、１週間たったところで、ここで
吸ってしまってはこの１週間が無駄になる、もったいない、と強く思うようになり、今年
の４月で丸18年になります。考えてみると、諸君の年齢と同じですね。
始めの数年間は、時々、タバコを吸ってしまう夢を見ました。非常にリアルな感覚の夢
で、「あ、吸っちまった。せっかくここまで続いたのに、あ～あ、もったいないな～。」
という大変な後悔の気持ちでハッと目を覚ますのです。目覚めた後も、吸ったときのとて
もリアルな感覚が残っており、体、というより脳が、しっかりタバコの感覚を覚えている
んだな、中毒というのはこういうことなんだなと実感し、夢の中で「もったいない」と思っ
た後悔の念をエネルギーにして、禁煙を続けてきたのでした。
ＭＯＴＴＡＩＮＡＩ は世界共通語
ケニア共和国の環境副大臣、ワンガリ・マータイさんが2004年にノーベル平和賞を授賞
し、毎日新聞社に招待されて来日した際、日本の精神である「もったいない」という言葉
に、消費削減（Reduce）、再使用（Reuse）、資源再利用（Resycle）という、"３Ｒ" の
精神が込められていることに深い感銘を受け、昨年の国連婦人の地位向上委員会で、「MO
TTAINAI」とプリントしたＴシャツを掲げて、日本語の「もったいない」をキーワードに
世界的「もったいない」キャンペーンを展開し、資源の効率的利用を訴えたました。
「もったいない」で１５ｃｍオーバー
１月21日と22日、３年生がセンター試験に挑んでいるまさにその最中に、家族でスキー
に行きました。３年生には縁起でもないと言われそうです。
東武鉄道のスノーパル
もたれが直角のままで、しかも途中、新藤原駅で２時間半ほど停車している間の暖房がえ
らく暑く、ほとんど寝られないまま、朝６時前に会津高原駅着。外はすっかり雪景色。そ
こから連絡バスで約30分、たかつえスキー場に到着。
子供はスキーは初めてで、最初は平地でストックを突いて１回前進する度に転んでいた
のですが、上の子（小４）は、その日の午後にはもう、私と一緒に斜面を滑れるようにな
りました。下の子（５歳）は、私の足の間に立たせて後ろから脇の下を手で支えるように
して滑りました。おかげで、私は腕と腰がひどく疲れました。
ペンションで、東京が大雪だというニュースをひとごとのようにテレビで見ました。
と、こういう話をしたいのではありません。
私はスキーは７年振りだったのですが、当時のスキーウェアを引っ張り出して着てみた
ら、パンツのおなかの前が15センチくらいあいて締まらないのです。上は大丈夫だったの
で、下だけレンタルということになりました。肥満は不経済とは、まさにこのことです。
原因は、運動量のわりに食べる量が多いということに尽きます。私が食卓の残飯整理の
ようなことをやってしまうからでしょうか。食べ物を無造作に捨てることがとてももった
いないと思うので、つい、残っているものをパクッと口へ入れてしまうのです。
でも良く考えると、捨てるのは確かにもったいない、無駄ではあるけれど、それを私が
食べてしまったからといって、無駄がなくなったのかというと、そうではないですね。
足りているところから不足しているところへ回せば、それは有効に利用できたと言えま
すが、十分足りている人が更に食べたって、何の役にも立ちません。
いま、メタボリック・シンドローム（metabolic syndorome＝内臓脂肪症侯群）という
ことが注目されています。内臓脂肪が蓄積して糖尿病や心筋梗塞になる可能性が高まった
状態をいいます。厚生省が実体調査に乗り出すとのことです。活で健康を損うのが最大の "もったいない" であると認識して、７年前のス
キーウェアが着られるようにしたいと思うのでした。 〟