ミスを暴露
【ＷＥＢ公開に際しての訂正】前号の「側室制度と不倫」の項の中ほどの「（今上天皇）」
とあるところは、実は、当時のプリントでは「（のちの昭和天皇）」となっていたものを、
ＷＥＢ公開に際して訂正しておいたのですが、当時はその訂正をここで行ったわけで、
《 》氏は、さっそく突っこんで来たのでした。
《ほんまに、気ｲ付けてんかぁ。》
『ひとがミスると嬉しそうに出てきよるなあ、オマエは。』
《ヘ、ヘ、ヘ。 明治以降は一世一元やさかいな。昭和の天皇は二人にならん。明治より
前は、同じ元号の中で天皇が替わるってことはあったんかいな。》
『江戸時代までは元号と天皇の即位は連動しとらん。昔の元号は、天災やら政治改革なん
かがあったときに心機一転という気持ちを込めて改元しとったんや。』
《その話は本紙の第１号で聞いたな。》
『２年生諸君が昭和と平成の変わり目の年度の生まれということで元号の話で本紙はスター
トしたんやった。』
《その間、ミスもぎょうさんあったなぁ。》
『何度謝ったやろか。ともかく、できる限りの努力は怠らんようにせなあかんと反省しと
るんよ。』
《ほんまに、気ィつけてんかぁ。》
『なに偉そうに。オマエも仲間なんやで。一心同体、
《アテら一心同体か。一心のはずないから二心同体かな。いやいや、アテらには "体" が
ないから、二心ノー体やろォに．．．それにあの世まで一緒とはうんざりやなァ．．．》
『なにブツクサゆうとんねん。』
教科書の誤り
今年のセンター試験の政治・経済で出題されたグラフの問題に関する話です。
そのグラフはだた１社の教科書に載っていたのですが、その教科書のグラフに誤りがあっ
たことが、センター試験の受験生の指摘でわかりました。
その教科書は今年、424校で６万６千冊余りが使われているそうですが、そうすると、
少なくとも424人の教員が使っていると考えられますが、誰も気付かなかったのだろうか
というのが素朴な疑問です。
そこで、社会科の職員室からその教科書をお借りしてみました。本文で日本と欧米の違
いが述べられていることを補完する資料として、そのグラフが載っています。アメリカと
イギリスの比較は直接のテーマではないので、見過ごしてしまったのだと考えられます。
もうひとつの疑問があります。作問者は、どの教科書にどのようなことが載っているか
をチェックするものと思うのですが、シェア12％で第２位の１冊だけに載っているという
"目立つ" 状態なら気付きそうなものですが、報道によれば、そのチェックをしていなかっ
たとのことです。
私は、教科書のグラフが間違っていることを、実は知っていながら出題したのではない
か、なんて思っちゃったりするのです。
作問者としては、作問の作業途中に教科書の誤りを指摘してしまうと、もうそれは出題
できなくなるわけだし、根本的に作問作業の途中経過を公表するようなことにもなり、別
の大問題として批判されかねません。教科書のミスを無視して正しいグラフに直して出題
しても、問題のミスではないのだからセンターが責任を取る必要はないという読みをして
いた、というのは、私の勘繰り過ぎでしょうか。
実際、出題ミスではないのでセンターは何も考慮はしない、と結論を出しています。
一律「正解扱い」は不公平
選択式の問題で、問題に不備があって正しい選択肢がないという出題ミスがあった場合、
これまでは必ず全員を正解扱いにしています。つまり、この問題はなかったものとするわ
けです。これは果たして公平なのでしょうか。論理的に妥当性はあるのでしょうか。
どの選択肢も正しいとは判断できずに空白にしておいたものと、明らかに間違いの選択
肢を選んだものが同じ点というのはどうなんでしょう。どう考えても不合理です。
時間切れで空白のひともいるでしょうが、そもそも選択式の問題は、当てずっぽうで選
んでも正解は正解とせざるを得ないという欠陥を宿命として抱えているわけですから、ミ
スがあったときの処置もその欠陥による誤差の範囲内で最善を尽くすべきだと思います。
つまり、出題ミスで正解のない問題になってしまった場合は、考えた末なのか手つかず
なのかという理由にかかわらず、空白を正解、どれかを選んだものは不正解とするという
処置もあり得ると、私は思うのです。
それを、「出題ミスがあれば一律正解扱い」というのは、物事をしっかり理論的に考察
しようとしない思考停止状態であると言えます。「私は選択肢を絞り切れなくて空白にし
たのだ、明らかに誤りの選択肢を選んだものと一緒にするとは何事ぞ」と主張する元気な
受験生がいないのも、ちょっと寂しい気がします。
大人社会は手本にならない～絶対真似をしないで下さい
諸君も感じていると思いますが、いま、日本の大人社会がとても恥かしい状態であるこ
とが白日の下に晒されています。
◆姉歯元建築士による建物の耐震データの偽装が昨年発覚し、イー・ホームズの
査、発注元の木村建設の建築士への圧力、販売元のヒューザーはそれを知りながら重要事
項説明をせずに販売、検査を民間に丸投げした国土交通省の無責任さ、そしてこれらの責
任のなすりあい。とても子供には見せられない、こっちが赤面してしまいそうな醜態です。
参考人か証人か忘れましたが、国会に呼ばれた木村建設社長は、姉歯元建築士が「木村
社長に鉄筋をできる限り減らすように圧力をかけられた。建築士はお宅だけじゃないんだ
と言われた。」と言ったことに対して、「できる限りというのは当然法の範囲内での話だ
し、建築士はお宅だけじゃないというは、ほかの建築士にも言っていることだ」と、私に
は "口を滑らせた" と思える発言をしました。
つまり、この社長の発言は、姉歯元建築士に圧力をかけたことの否定には全然なってお
らず、むしろ、姉歯元建築士以外にも同じように偽装をしている建築士がいることを示唆
したものと受け取れるわけです。しかし、質問に立っていた国会議員はそこを突くことは
しませんでした。とても残念です。
自分の仕事を確保するためには法も犯さなければならないという、これは市場原理に従っ
た競争社会では完全には避けられない歪だと思います。法を守るとマンションなどの物件
の値段が高くなって売れないのですから。その意味では、家族を養っていかなければなら
ない姉歯元建築士も気の毒なのかも知れません。
【ＷＥＢ公開に際しての補足 2007. 9.29】その後、姉歯氏は遊びや不倫で金が必要だっ
たということが分かり、私のこのような "同情" は裏切られることになり、がっかりしま
した。
民間は利益追求が至上命題なのですから、需要側と供給側のどちらでもない、市場に対
して第三者の立場のひとが検査する体制が必要となるわけですが、国土交通省は、そうし
た利潤追求を制限するようなルールの遵守を監視するという役割を民間企業に任せっきり
にしてしまったわけです。
諸君にもちょっと聞きたいのだけれど、「公務員＝倒産もなく競争もなく態度もデカく
賄賂なども受けてだらしない、一方、民間人＝真面目に一生懸命頑張っている」というイ
メージを持っていますか？
どうも私は、小泉改革の前提は、ここにあるのではないかと思うのです。民間にできる
ことは民間に任せれば、無駄も省けて、競争すれば値段も下がって消費者の利益になるし、
万事うまくいく、と。
ま、市場原理といっても、姉歯元建築士にとっての "市場" は自分の設計図を買ってく
れる建設会社だけなわけで、その中での不正のつけは、結局マンションの購入者に回って
くるということで、購入者は今、大変な目に遭っているわけです。
ホリエモンと東横インとトリノ・オリンピックのおかげでこの事件の報道がかなり減っ
てしまいましたが、国会議員も許認可がらみか何やらで関わっていたとかいないとか、こ
の先に注目です。
◆ライブドアのホリエモンこと堀江元社長の粉飾決算や嘘情報による株価吊り上げなど、
証券取引法違反容疑で逮捕されました。本人は容疑の全てを否認しています。
彼は一昨年、プロ野球の近鉄バッファローズを買収しようと、閉鎖的と言われたプロ野
球界に大きな波紋を広げました。
そのころ、本紙にも堀江社長（当時）は登場しました。一昨年の10月、本紙０２１号で
す。楽天とライブドアがプロ野球への新規参入で
「楽天にしろライブドアにしろ、30代の若い社長の引っ張る会社は、共にＩＴ関連のいわ
ゆるベンチャー企業で、新しい分野を切り開いてここまで成長してきたのです」と、当然
何も気付かずに紹介したのでした。
ニッポン放送の株を買い集めて経営権を獲得しようとしたとき、ニッポン放送の子会社
であるフジテレビの社長や産経新聞などは「放送界には放送界で培われてきた人間関係が
ある。金で人の心までも買えると思っているのか。」と激しく批判していました。
私はオヤオヤと思いました。教員免許のない民間人を公立校の校長に登用することになっ
たとき、フジ・サンケイグループの産経新聞は、まるで腐った教員たちを新鮮な民間の感
覚で叩き直してやればよいと言うようなニュアンスで、
いざ自分のところによそ者が入ろうとすると、必死に仲間内で固まってこれまでの人間関
係を壊させまいと必死に抵抗しているように、私の目には映ったのでした。その意味で私
は、当時の堀江社長になんとなく期待をしていたかも知れません。
一方で、私は株はやらないのでよくは分かりませんが、ニッポン放送の株取得に際して、
時間外取引という、法の隙を突くようなことをやったということで、民間の競争というの
は、相手をいかに出し抜くかという勝負のように思えて、私には全く向いていないし、興
味の沸かない世界だなとも感じました。
しかし、特に若い人には、ホリエモンが古い体質に真っ向から立ち向かうヒーローのよ
うにも見えて、ライブドアの株を買った人、ニッポン放送の株をライブドアに託した人も
多いでしょう。マスコミからも引っ張りだこで、毎日のようにテレビに出ていました。
当然、カネで何でもできるという考え方に反感を持った人もいるわけですが、ここへ来
て、そのカネがまともなカネでなかったことを知らされて二重の怒りとなっています。
堀江元社長は政界へも食指を伸ばし、郵政改革大賛成の立場で昨年の総選挙に立候補し
ました。自民党の武部現幹事長は、弟とまでいって応援しました。いま、その責任が言わ
れています。
あっちこっち騙されたということになるわけですが、彼のおかげで、証券取引法の改正
や東京証券取引所のシステムの処理能力アップ、世の中が拝金主義に走り過ぎていたこと
を反省する声も出始めて、反面教師として、世の中の改革に役立っているかも知れません。
これも、国会議員が絡んでいるというような話も流れています。要チェック。
◆東横インのホテルの不法改造。発覚した直後の西田社長の記者会見の態度が最悪でした。
「身障者用の部屋は年に１人か２人しか利用されない」「玄関横の身障者用の駐車場は見
栄えが良くない」「60キロ制限のところを67キロか68キロで走ったようなものだ」…
案の定、身障者たちから猛烈な抗議がありました。身障者でなくでも怒りを覚えます。
社長は今度はうつむきっぱなしで、「すべて私が悪いんです」「利益を追求してしまい
ました」と繰り返すばかり。何をいまさら。白々しくて、前言撤回はできません。
さらに、従業員に対しても厳しく、通常24時間３交代制にすべきところを、東横インは
一人で勤務させるということもやっていたとか。女性従業員が多いということで、女性の
積極的採用という点からは評価されそうですが、実は、女性の多くが結婚してやめていく
ことを
でコキ使っていたという話まで出ています。しかし、他のホテルの客室の稼働率が６割そこそこの中で、東横インは８割
ほどだったというのですから、"成果" はあったわけです。 〟