２位入賞おめでとう！ ～６月14日 合唱コンクール 於日比谷公会堂
『３Ｇの諸君！ おめでとさん。』
《おめっとーさん！》
『その場ではくやしい～っていう声も聞こえたけど、まぁ、今になってみれば、納得の評
価やろ。』
《歌い終わって席に戻ってきたときに、どうだった？ って聞かれて、本番で一番うまく
できるなんてすごい、って言ったんや。》
『けど、課題曲がおとなしすぎたなって、思わずゆうた相手が指揮者やったもんで、すま
んことゆうてしもたな、って思うたんや。カンニンえ。』
《金曜日にもろうた審査委員の寸評のコピーと入賞クラスの得点表によれば、課題曲は決
して下手というんじゃなく、ひとえに声が小さかったということで５人の審査委員の評
は一致しとった。》
『なんちゅうても朗報は、自由曲「ある真夜中に」の得点はＧ組が１番やったことや。』
《そうやな。起伏の大きい、ゆったりとした大人の雰囲気の難しい歌を、ようあれだけ上
手にうとうたもんやと、感心しとるんや。昨年の２位とはみんなの充実感も違うんやな
いかな。》
『曲そのものも良かった。"たーとーいーえーいーえーんーにー、あーなーたーのーひた
いにー 、くちびるにー 、たーどーりーつーけーなーくーてーもー、あ～～～～わたー
しはっ！ こーこーおーにー、ここにいますー、ここにいますー、ここーにー" が耳か
ら離れへん。この歌は、必ずしも男女の間の愛に限ったものやなく、親の子に対する愛
であったり、それに、師弟愛にも通じる歌やと思うとるんや。瀬戸内寂聴さんの作詞や
さかい、阿弥陀様との関係もあるかも知れへん。（※）』
《師弟間で、額や唇にたどり着いたらあかんでぇ。クビやどぉ。》
『茶化すな。たとえ離れていても愛情やとか安心感とか信頼感といってもええかな、そう
いうのが伝わる、それで幸せに感じる、そんな親子やら師弟関係が築けたらええなぁっ
て思うんやけどなぁ．．．』
《さあ、ひと区切りしたんで、勉強したい衝動に素直に従って、頑張ってんか！》
『なんや、そっけないな。』
《アンタはビデオ編集、頑張ってんか！》
『オマエも手伝うんやでぇ。』
（※）瀬戸内寂聴：天台宗の僧侶。小説家。東京女子大卒。
天台宗：奈良時代の国家仏教が政治と混同されるようになった弊害を
しい仏教を求めるために
23）年）。最澄は天台山に登ってその教えを受け、翌年帰国。806（延暦25）年１月、天台宗は国の
公認を得、これをもって天台宗の始まりとする。今年は天台宗開宗1200周年。
き、日本の仏教教育の中心となる。
最澄没後、
安末期から鎌倉時代にかけて、融通念仏宗、浄土宗、浄土真宗、
新しい宗派の僧を多数輩出。
題目とは「
一方空海は、長安で
る｡
阿弥陀様：阿弥陀仏は "仏の中の仏" といわれている。阿弥陀仏の本願（誓願・約束）とは、「わ
れを信ぜよ。どんな苦悩を持つ者でも、この世も未来も最高無上の幸福にしてみせる」という約束の
こと。
日本の独立性が試される
18日で通常国会が閉会になりました。
重要な法案が山積していて、会期延長の強い要望もあったのですが、小泉首相は４月中
から「延長なし」を表明し、規定通りの会期で閉会となりました。
▼憲法改正のための国民投票法案▼教育基本法改正案▼組織犯罪に対する共謀罪の法案
▼防衛庁の省昇格の法案などの重要法案が秋の臨時国会以降に持ち越されることになりま
した。憲法や教育、外交、特にテロ対策や国防というのは小泉首相にとってあまり興味の
ないものという見方もあり、また、国会に煩わされることなく６月27日からのカナダ・米
国訪問を満喫したいのだという憶測もしきりに流れています。
ともかく世間の目は完全に、ポスト小泉にシフトしました。その際、８月15日に靖国参
拝をするかどうかがひとつの注目点です。これは、小泉首相の公約だったのですが、まだ
実行されていません（日を変えて参拝している）。
私も実は、参拝についての私の賛否は脇へおいておいて、８月15日に参拝したら中国・
韓国がどう出るか、そして、その１ヶ月後の自民党の総裁選にどう影響するのか見てみた
いという気持ちがあります。極端な言い方をすれば、日本が中国と対等の立場に立てるか、
それとも中国の属国になるかの別れ道になるのではないかと私は思っています。
憲法を教育基本法に合せる？
さて、継続審議となった多くの法案の中のひとつ、教育基本法について触れておきます。
教育基本法は、憲法ほどは一般には知られていません。全部で11条しかない短いもので
すから是非諸君も図書館などで１度は読んでみてほしいと思います。
教育基本法には、憲法のような前文があって、次のように書いてあります。
教育基本法前文
われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平
和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育
の力に待つべきものである。
われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、
普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。
ここに、日本国憲法の精神に
確立するため、この法律を制定する。
あと、▼第１条（教育の目的）▼第２条（教育の方針）▼第３条（教育の機会均等）▼
第４条（義務教育）▼第５条（男女共学）▼第６条（学校教育）▼第７条（社会教育）▼
第８条（政治教育）▼第９条（宗教教育）▼第10条（教育行政）▼第11条（補則）、となっ
ています。
日本の法律や条例等はすべて日本国憲法に則っていなければなりません。特に教育基本
法は、国の根幹を形成する教育に関わるものですから、何よりも増して憲法との整合性が
要求されるべきです。にもかかわらず、憲法よりも先に教育基本法を改正するのは、順序
がおかしいと私は思います。
現教育基本法が公布・施行されたのは、1947（昭和22）年３月31日で、憲法はその前年
11月３日に公布されていて、この年の５月３日に施行されるという、きわどいタイミング
でした。しかし、憲法ができ上がった後であるということは押さえておきたいところです。
態度の強制は面従腹背を助長
次に、なぜ今、改正の流れが強くなったのでしょうか。
教育基本法の前文には「個人の尊厳を重んじ」とあり、
第１条（教育の目的） 教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者
として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神
に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。
となっていて、現行の教育基本法では個人ばかりが強調され、そこには日本という国はお
ろか、家族や地域、郷土との関係については述べられておらず、いわゆる愛国心がないが
しろにされてきたとして、改正を訴える声は日本の独立当初からあったわけです。
制定当時は、日本人が再び結束することのないように、特に、国や天皇への忠誠心につ
ながるような教育は徹底的に排除するというＧＨＱの方針であったのですからやむを得ま
せん。ＧＨＱの検閲により、教科書にあった「愛国心」ということばは「国を思うこと」
に修正された時代です。
また、近年になって、非常に短絡的に他人を殺傷する事件が目立ち始めたことの原因が、
「個人」＝「自分」という解釈の教育が行われてきたことにあるという考えが保守派の人
達の間に広まり、これ以上放っておけないという気運を高めたようです。
しかしそれでも、「国家及び社会の形成者として」「勤労と責任を重んじ」「心身とも
に健康」であることにもっと重点をおけば、現行のままでも十分、「個人」への偏りを是
正することは可能であるように思えます。
今の改正の動きは、首相の私的諮問機関「教育改革国民会議」が2000（平成12）年に、
教育基本法の改正の必要性を提言したのが発端となっています。
そして2003（平成15）年３月に、中教審（中央教育審議会）が改正を答申、５月に自民・
公明両党による与党協議会が設置され、翌年６月に中間報告を発表しました。
そのとき、愛国心をどう表現するかで両党は対立し、結局、両論併記という形になりま
した。つまり、自民党は「郷土と国を愛し」としたのに対して、公明党は「国を愛する」
というのは戦前の愛国心を想起するということから「郷土と国を大切にし」としました。
この時点で、自民・公明いずれも、「心」には触れず、「態度を
す。そういうことに対して、「心」は縛れないからといって「態度」にすれば、面従腹背
を助長するようなものだという批判が自民党内部から上がりました。
この批判、是非、東京都教育委員会にも向けてほしいと私は思います。２年前の秋の園
遊会で、都教育委員のひとりは「日本中の学校で国旗を揚げ、国歌を斉唱させるのが私の
仕事でございます」と陛下に申し上げたのに対して、陛下は「やはり、強制になるという
考え方でないことが望ましいですね」と応えられたということは、昨年２月の本紙でも述
べました。
自民党と公明党では、なにかにつけて自民党が譲歩するということが続きます。選挙の
際の公明党の協力はやはり大きいわけです。それで、今年４月には公明党の案で合意して
政府案としました。
そこへ民主党が、「日本を愛する心を涵養し」や「宗教的感性の涵養及び宗教に関する
寛容の態度を養う」を入れた対案を出してきました。現行の第９条と政府案は、「国及び
地方公共団体が設置する学校は、特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動をしては
ならない」です。公明党は特に、宗教に関する教育について触れることに強く反対してい
ます。愛国心や宗教教育の考え方は、自民党と公明党より、自民党と民主党の方が遥かに
近いと言えます。
と、こういう状態で国会は閉じられました。
憲法、教育基本法の改正、自衛隊のあり方が争点になると、政党のくっつき方も変わっ
てくることは必至です。
改正の本音は？
もうひとつ、注目しておきたいことがあります。
教育基本法 第１０条（教育行政） 教育は、不当な支配に服することなく、国民全体
に対し直接に責任を負つて行われるべきものである。
② 教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を
目標として行われなければならない。
これに対して、2004年６月の与党協議会「教育基本法に盛り込むべき項目と内容につい
て」の中間報告において、
教育行政 教育行政は、不当な支配に服することなく、国・地方公共団体の相互の役割分
担と連携協力の下に行われること。
とし、「付記」に「「教育行政」中の「不当な支配に服することなく」については、適切
な表現に変えるべきとの認識で一致した」とあります。
主語を「教育」から「教育行政」に変え、「国民全体に対し直接に責任を負って」を削
除しています。現行とは法の主旨が逆転してしまいます。
今年の政府案では、「教育は、不当な支配に服することなく」に戻されましたが、「国
民全体に対し～」は削除されたままです。
民主党案は、「教育行政は、民主的な運営を
「不当な支配に服することなく」は、日教組（日本教職員組合）が教育への国の関与を
排除する根拠としてきたという経緯があり、行政側としては是非削除したい、できれば、
教育行政が誰からも干渉されないようにしたいという本音が、あの中間報告には現れたの
でしょう。しかし、これも公明党との妥協で残ったわけです。政府案に反対の人も、公明党との妥協に
至らなかったのには、ホッとしているのかも知れません。 〟