あけましておめでとう《おめっとうさん！》
『おめでとう。』
《１年ぶりの新年やなぁ。》
『あたりまえや。１年に何回も新年が来てたまる
か。はよう歳とってしまうやんか。』
《．．． それじゃツッコミにならんやんか。》
『そや。逆ギレならぬ逆ボケや。』
《あはは．．． 今年はアンタがボケ役かいな。》
『まぁ、ちょっと気分転換や。ま、今年もよろしゅうな。』
《こちらこそ。今年は亥年やさかい、目標に向かって猪突猛進！ ってとこかいな。》
『諸君にとっては大きな節目の年や。是非、目標が達成できることを祈っとるで。』
《そうや～。あんじょう気張っとくれなはれや。》（※）
（※）あんじょう：副詞。京都弁。「味よく」のウ音便化「味よう」の変化。うまい具合に。上手に。
具合よく。
今年の周年事項
今年はいくつかの大きな出来事の周年記念になっています。それらは単に「何年たちま
した、おめでとう」という単純な話ではなく、周年という節目を機に、それらの出来事に
ついて知り、考えることで、私たち、日本の未来について、場合によって諸君一人一人が
決断を迫られたときの判断の拠り所となるものが身についていくのだと思います。
ちょっと並べてみましょう。
10年前 1997(平成９)年 神戸連続児童殺人事件（いわゆる酒鬼薔薇事件）
香港が英国から中国に返還される
地球温暖化防止京都議定書採択（037号）
20年前 1987(昭和62)年 ＮＴＴ東証１部上場 １株160万円の初値
国鉄民営化・ＪＲ11社発足 山手線全駅が禁煙に
広島の衣笠選手 2131試合連続出場（世界新） 国民栄誉賞
世界人口50億人突破
俳優・石原裕次郎死去（52才）
30年前 1977(昭和52)年 青酸入りコーラ事件（２名死亡）
エルビス・プレスリー死去（42才）
巨人の王貞治選手 756号ﾎｰﾑﾗﾝ世界最高 、国民栄誉賞第１号
日本赤軍日航機ハイジャック事件（日本政府は犯人の要求を受
け入れ、身代金を支払い、日本人テロリストを釈放）
35年前 1972(昭和47)年 グアムで横井庄一・元日本兵を救出
札幌冬季五輪開催（アジア初）
連合赤軍浅間山荘事件
沖縄返還 沖縄県発足
ミュンヘン五輪
国鉄 日本国有鉄道・ＪＲの前身 、ﾘﾆｱﾓｰﾀｰｶｰの浮上走行に成功
日中国交正常化（田中角栄首相・周恩来首相） 日本は戦争で
中国に損害を与えたことを謝罪し、中国は対日賠償請求権を放棄
台湾と断交（大平外相が日台講和条約の失効を表明）（063号）
フィリピンで、元日本兵と現地警察隊とが撃ち合い、小塚金七
上等兵 "戦死"、小野田寛郎・陸軍少尉は負傷して逃走(1974年、
かつての上官から任務解除命令を受け、ﾌｨﾘﾋﾟﾝ軍指令官に降伏）
男女雇用機会均等法制定（066号）
唯一の国産旅客機ＹＳ１１、生産終了（058号）
40年前 1967(昭和42)年 東京都、美濃部亮吉革新都政誕生
佐藤栄作首相、現職首相初の韓国訪問
公害対策基本法公布
吉田茂元首相死去、国葬に
日米首脳会談 佐藤首相・ｼﾞｮﾝｿﾝ大統領 で小笠原返還を発表
都電、銀座線など９系統廃止 （075号）
50年前 1957(昭和32)年 筆者生れる
南極昭和基地開設
コカコーラ、日本で販売開始
日本、国連に加盟
東海村原子力研究所、日本初の原子炉稼働
国産ロケット第１号発射成功
東京・八重洲の大丸で日本初の "パートタイマー" 募集
日本、国連安保理非常任理事国に当選
5000円札登場
ソビエト連邦、世界初の人工衛星「ｽﾌﾟｰﾄﾆｸ号」打ち上げ成功
ＮＨＫ・日本テレビ、カラーテレビ実験放送開始
55年前 1952(昭和27)年 韓国、李承晩ライン設定を宣言（1965年撤廃）（041･067号）
英国・チャーチル首相が原爆保有を公表
対日平和条約発効（４月27日）で日本独立（044･067号）
米国、水爆実験成功
ヘリシンキ五輪 日本戦後初参加
60年前 1947(昭和22)年 学校給食開始
教育基本法・学校教育法公布、６３３学区制発足
日本国憲法施行（５月３日）（044号）
11宮家51人の皇籍離脱決定
70年前 1937(昭和12)年 盧溝橋事件
日独伊防共協定締結
南京事件
80年前 1927(昭和２)年 金融恐慌
蒋介石、共産党を追放し南京に国民政府を樹立
東方会議開催、対華政策綱領を決定
90年前 1917(大正６)年 ロシアで３月革命（033号）
石井ﾗﾝｼﾝｸﾞ協定締結 米国は満州・東部内蒙古の日本の権益
を承認
130年前 1877(明治10)年 西南戦争 西郷隆盛自刃
140年前 1867(慶応３)年 王政復古の大号令発せられる（007号）
170年前 1837年 米国商船モリソン号が浦賀に入港、浦賀奉行は外国船打払令に基づき
砲撃（１年後、モリソン号は日本人漂流者７名を送り届けに来たことが
分かり、幕府の政策に批判が集まる）
200年前 1807年 フルトン、ハドソン川で蒸気船の試運転に成功（46年後の1853年には、
浦賀に蒸気船サスケハナ号、いわゆる黒船が来航している）
550年前 1457年 太田道潅が江戸城を築く
1400年前 607年 小野妹子の遣隋使（037号）
1950年前 57年
が後漢へ朝貢、光武帝から印綬（いわゆる金印）を賜る（014号）
こうしてみると、日本には2000年も遡れる歴史がある。しかもその間、戦後のマッカー
サーＧＨＱ総指令官による占領統治７年を除いて、一貫して同一民族によって統治されて
きたということに、何とも言えぬ重みというか、幸運を感じます。
もし、250年前には我々はこの列島には居なかった、250年前にこの列島に移ってきて、
原住民をほとんど殺してしまったという歴史であったとすると、どうでしょうか。想像で
きますか？
中国はよく4000年の歴史と言いますが、この間、さまざまな民族が入れ替わり立ち変わ
り、政権を争って来た歴史です。易姓革命といって、統治者（天子）は天命を受けて統治
するのであり、もし不徳があれば、他の有徳者がこれを倒して天子になるのが天命である
という考えですから、新たな統治者は、前任者を徹底的に不当なものとし、子孫を根絶や
しにし、墓もすべて破壊し（墓石？）、自分は完全に正当な統治者であるという歴史を編
纂しなければ民衆の支持は得られません。
終戦後、日本が撤退した中国では、共産党と国民党の内戦になり、勝利した共産党・毛
沢東が中華人民共和国を設立し（1949年）、国民党・蒋介石は台湾に逃れたのでした。大
陸では、元国民党や反共勢力に対する粛清、１千万人とも２千万人といわれる大虐殺が行
われました。
ですから、「歴史」の概念は、日本の2000年とはまったく異質のものだし、歴史を共有
することなど、不可能なのです。日中国交正常化35周年ではありますが、そんなことで日
本が中国（や韓国）の歴史観を受け入れることはできませんし、受け入れることが友好だ
などというのは大きな間違いです。
中国は、盧溝橋事件、南京事件70周年を今年の最大のイベントにしようとしています。
米国大手のインターネット企業、アメリカン・オンライン（ＡＯＬ）の副会長、テッド・
レオンシス氏が、中国系米国人アイリス・チャン（2004年に自殺）が1997年に発表した
「ザ・レイプ・オブ・南京」をベースにしたドキュメンタリー映画を制作し、今年発表す
るそうです。
「ザ・レイプ・オブ・南京」は、南京で日本軍は、市民30万人を虐殺、女性２万～８万
人に乱暴した、としているのですが、その数字の根拠が矛盾していることや、同書に使わ
れている写真のほとんどが巧みにトリミング（一部だけを切り取る）したりぼやかしたり、
事実に反する説明を付けたりしていることなどがオリジナルの写真とともに指摘されてい
ます（※）。それで、その旨の注釈を入れた日本語版を日本の出版社が出版しようとした
のですが、日本の注釈は一切認めないということで、日本語版は見送られています。
（※）藤岡信勝・東中野修道著「『ザ・レイプ・オブ・南京』の研究 中国における情報戦の手口と戦
略」(祥伝社・1999年)、東中野修道著「南京事件 国民党極秘文書から読み解く」(草思社・2006年)
日本軍が南京に入ったときの南京の人口は20万人とされています。しかもそれらの人達
は、欧米人による国際委員会によって管理されている「安全地帯」の中におり、市街地は
ほとんど無人の状態だったのです。
安全地帯の中には、軍服を脱ぎ捨てた中国兵（便衣兵）も数千人紛れていました。日本
軍は便衣兵を摘発し、6670名を処刑したという連隊長の日記があります。軍服を脱ぎ捨て
た兵士はゲリラと同じで、国際法により捕虜として保護される権利を有していないので、
裁判なしで処刑しても国際法には反しません。こうした状況で、30万人の市民の虐殺はあ
り得ないし、証拠もないというのが、これらの著書の主張です。30万人の根拠は、無差別
空襲や原爆による日本人の死者よりも多くしないとカッコがつかないという理由だという
人もいます。
また、非常な惨状の目撃談が東京裁判でも証拠として採用されていますが、そんなひど
いことが多数行われているのに、どの事件も、複数の目撃者がいない、当時の新聞などで
も報道されていない、国際委員会も抗議していないというのは、不自然です。
米国には反日宣伝を続けている中国系組織「世界抗日戦争史実維護連合会」というもの
があって、昨年10月、レオンシス氏は同会主催のアイリス・チャン氏を記念する論文コン
テストの来賓として出席しています。
この映画がドキュメンタリーに値するものになるのか、「ザ・レイプ・オブ・南京」を
鵜飲みにしたものとなるのか、日本は注視し、適切な反論をしていかなければならないと
思います。（※）にあげた書籍などは英文で出版していないのでしょうか。「ザ・レイプ
・オブ・南京」の隣にそうした反論の本を並べれば、米国人は必ず読むと思います。
諸君の卒業まで２ヵ月。本紙も、あと何回発行できるでしょうか。
硬軟取り混ぜて頑張ります。 〟