あけましておめでとうございます《おめっとうさん！》
『おめでとう。この３ヶ日、東京はエ
エ天気やったな。』
《１年ぶりの新年やなぁ。》
『去年と同じボケすなよ。』
《わかったぁ？》
『あたりまえや。今度は直接ＷＥＢ版や。すぐに過去のモン、見られるんやでぇ。即、
チェックが入るがな。』
《あはは．．． キビシイなったなぁ。》
『そうや。
ところで、2007年度としてはこれが１号目やけど、前回から10ヶ月の間、何してたん？』
《アテかあ？ みんなが卒業してしまって、
ホームルーム担任やないんで、こんな内容のプリント出すキッカケもなく、そのあおり
を食ってアテも出番なしやったんや。アンタも一緒やないか。》
『アタシらの出番はなかったけど、11月までは、過去３年分の複眼のＷＥＢへの公開作業
で新しいモン書いとる暇はなかったって感じやな。』
《そやけど、補足説明は結構大変やったようやで。》
『この10ヶ月でいろいろ動きがあったさかいな。３年間の複眼で話題にしたことが、結構
その後にもかかわってきてるって感じたなぁ。』
《ホンマにそうや。なんつっても、ポスト小泉の安倍内閣が、さあ、これからどうするっ
て見てたら、政治どころやあれへんかった。閣僚が次から次へとヘマしおって、気の毒
やったなぁ。美しい国はどこ行ってしもうたんやって感じ。》
『気の毒って、そういう閣僚を選んだのは安倍はん本人やし、ヘマしても首相が代わりに
矢面に立ってその閣僚を守ろうとしたんやさかい、しゃあないやんか。誰やったか、安
倍内閣は学級会みたいやゆうとったな。』
《武部はんやったかな。違うとったら堪忍え。》
２００８年の予測
『その後の福田首相やけど、反安倍、反小泉ってことなのかどうなのか、なにか、政権の
引継ぎがうまくないっちゅうんやろか、自分が首相になる前に発生したことについて無
頓着な感じが原因やろか、支持率が急落しとるな。』
《年金問題にしろ薬害問題にしろ、なんか他人事のように話してるって感じがアテにも伝
わってきたなぁ。福田首相の理念って何やろか。オレはこれをやるんだってとこ、見え
へんな。》
『安倍はんと違うて、中国とは波風立てずに仲良くしていきたいと思うとるんとちゃうか
と、アタシは心配しとるんやけど。』
《なんで心配なの？》
『先月訪中したとき、東シナ海のガス田開発について（→０６３号）、何らかの合意がで
きるんではないかという事前の予測があったんやけど、もしかして、中国の要求をかな
り飲むんやないかと心配したんや。結果、進展なく、とりあえずアタシはほっとしたん
や。けど、まだ先はわからんなぁ。』
《どうなると思う？》
『アタシは、あれは合意は不可能や思うとる。中国はガス生産を今も続けとるかどうかよ
う分からんけど、ちょっと待ったをかけることは可能かも知れんが、それも限度がある
やろ。結局は、中国は中間線の中国側の部分なのだからと一方的に生産をし続け、日本
は、そのガスを買う。警備を口実に中国の軍艦が日中中間線よりこっちに入らんように
するのが精一杯やろな。それかて、どこまで守り切れるか、危ういモンや。日本の船が
逆に蹴散らされるんとちゃうやろか。』
《日中協議はいつまで続けるんやろ。》
『そうやな。北京オリンピックがひとつの区切りになるやろな。』
《オリンピックが終わったらどうなるの？》
『中国は、ともかく北京オリンピックは成功させるために必死なんや。国境問題で、今強
硬手段に出ても、メリットはない。それより、中国企業やあるいは人民一人ひとりの倫
理観の向上に頑張ってるんや。食品や玩具の安全についても、国際的な信用が得られな
ければ... たとえば、選手村の水や食品が信用されんようやったらどうやろ。』
《ええぇ．．．！？ どうやろって、各選手、自分の国から弁当持って行かなアカンやな
いか。》
『弁当って、オマエな、遠足とちゃうんやど。ともかく、選手が安心して北京で過ごせん
ようじゃ、オリンピックはうまくいかん。それで、今は、すべてオリンピックのためと、
国内を、ある意味で締めてるんや。人民もとりあえず我慢しとる。』
《なるほど。そうすると、オリンピックが終わったらその締め付けの
でに溜まった人民の不満が一気に噴出しかねんっちゅうわけやな。》
『そうや。食品生産者としても、安うて売れるもんをなぜ作っちゃいかんのやって来る。』
《オリンピックのためやゆわれて土地を言い値で手放した人もおるやろうしな。》
『そうした国内の不満は、外に向けにゃ、政権は持たん。そこで、また日本に頼ることに
なる。』
《頼るって、日本が何か助けてあげられるんかぁ？》
『アホやな。中国が日本にものを頼みに来るはずないやろ。ちゃうがな。たとえば、歴史
問題やら国境問題を取り出して、日本を悪者に仕立て上げ、人民の不満を日本に向かわ
せるんや。』
《なるほど。去年、南京事件70周年を記念して、中国はいわゆる南京大虐殺記念館を２倍
以上に拡張したけど、それを本格的に利用する手はあるし、東シナ海のガス田も、日本
のいうことなど無視して生産を開始するというのもあるやろな。それで日本が抗議すれ
ば、何を言うか！って感じで、過去の中国侵略の歴史を持ち出し、米国の慰安婦非難決
議に対して日本政府は正式に抗議していないことや河野談話を取り消してもいないこと
を持ち出し、沖縄トラフ（→０５５号）までは中国領だと改めて強調したり、沖ノ鳥島
は島ではないということで、その近海の資源開発を始めるかもしれないし(→０４２号)、
日本企業を中国から締め出すぞといえば、日本はひえ～って感じになるだろうし．．．》
『おいおい、ちょっと待てえぇよ。ようそれだけ日本の弱点を一気にしゃべったなぁ。』
《まあ、今年の予測っちゅうことで、下手な
２００８年のお願い
『まあ、ええか。それに、対中国だけやない。国際社会での日本の立場も大きな転換の可
能性もある。』
《テロ特措法の問題やな。》
『そう。オマエも話が通じるようになったな。』
《なにゆうてんねん。アテは始めから通じとるよ。》
『そうやったかな。ま、ともかく、民主党もようやく対案を出してきたんで、しっかり議
論してほしいな。』
《アテら国民にすべて見えるような議論をしてほしいな。》
『エエことゆうなぁ。ただ単に、雰囲気や観念論で賛成・反対という結論だけを言い合う
のやのうて、日本もそろそろ国益っちゅうものをしっかり見て、何が日本の利益になる
のか、ならんのか、具体的に議論して欲しい。』
《そうやな。インド洋の給油活動をやめると日本は孤立するとか言うけど、孤立っていう
のがどういうことなのか、具体的に話して欲しいし、民主党の小沢党首の言う、国連安
保理の決議さえあれば自衛隊をアフガニスタンに派遣できるという言い方も、安保理決
議が日本国憲法を超えるもののように聞こえるんやけど、憲法改正と絡めて具体的に話
してくれな、アテらようわからんやないか。》
『インド洋での給油活動については、日本がやらなきゃ中国が出てくる可能性を指摘する
人もおるし、アタシもそう思う。日本つぶしのええチャンスや。その意味では、小沢党
首の考え、つまり、自衛隊が直接アフガニスタンに入って活動するという考えの方が、
中国にとってはイヤやろ。』
《けど、裏を返して、安保理決議がなけりゃ自衛隊が出せないということに決まってしま
うとすると、たとえば、日本が東シナ海でガス田を掘り始めて中国が軍艦を派遣して日
中中間線を越えて妨害しようとしたとき、自衛隊は対抗できんということになるんとちゃ
うか。自衛隊の国内での活動、とりわけ、国境紛争に対する活動について、本当に自衛
ができるかどうかをきちんと決めておかなければアカンやろ。》
『海外での活動ばかり充実させて、肝心の日本を守るというところで自衛隊が動けんよう
じゃ、"自衛"隊じゃなくなるわな。』
《もう、ごまかしはきかへんで。野党も、閣僚のヘマ追及ばかりせえへんと、立法府の本
来の役割をしっかり果たせよぉ！》
『おお、珍しく怒っとるなぁ。』
《あたりまえや！ それに、ごまかしといえば、アテが去年情けない思うたんは "偽"
や。》
『日本漢字能力検定協会が毎年募集しとる "今年の漢字" ってやつやな。去年は "偽" やっ
たもんな。ホンマ、何でも偽装やったからなぁ。真っ直ぐな猪も怒っとるでぇ。』
《あはは．．． しょうもな。大腸菌が基準以上いるのはあかんけど、いわゆる賞味期限
やらは、客観的な基準はないらしいな。各企業や業者が自主的に決めればエエもんらし
いで。》
『一番疑問に思うたんは、"白い恋人" の賞味期限改竄や。社長だったかな、弁明で、包
装紙が新しくなってより保存力がようなったんので、と言うとったと思うやけど、もし
それがホンマやったのなら、これからは従来より１ヶ月伸ばしますってきちんと宣伝し
て売れば、偽装やないわけやろ。』
《牛肉偽装のミートホープもそうや。金儲けのために偽装するから逮捕までされるんで、
あの社長は、食品をいろいろアレンジするアイデアマンやったらしいから、偽物やけど
牛肉と見分けつかんでぇと公言して "牛肉風" とか言うてちょっと安う売っときゃ、あ
のカニ棒みたいにヒット商品としてロングラン続けられたんやないかと思うんねん。》
『実際、消費者は誰一人、偽物やってわからんかったのやさかいな。』
《ミーホープの社長はん、再起を期待してまっせ。ただし、食べ物以外のものを混ぜたら
アカンで。》
『どうも今回はオマエが主導権をとっとるなぁ。エライもんや。今度はアタシから話題提
供や。
今年の大きなイベントとして、７月７日から９日までの洞爺湖サミットがある。』
《ああ、知っとる。地球温暖化防止が大きなテーマになるようやな。それで、自然に囲ま
れたか洞爺湖畔を会場に選んだんやろ。》
『そうや。で、アタシが心配しとるんは、バイオ燃料ってやつや。』
《植物から作ったアルコールやな。二酸化炭素の排出量が減るらしいな。》
『それで、石油燃料の代わりとして需要が急増しとる。そやけど、アタシは、それに待っ
たをかけたいんや。』
《ど、どうして？》
『バイオ燃料の原料は、本来食物であるはずの小麦やとうもろこし、砂糖きびなどや。そ
れを、燃料にするために先進国が買いあさっとるから、値段が高騰して、アフリカなど
では食糧難がいっそう進んでおるようなんや。』
《なるほど。日本でもパンやらの食品が値上がりしたんは、石油価格の高騰に目を奪われ
とったけど、小麦やとうもろこしの高騰も関係しとったんやな。》
『そうや。日本は、賞味期限とやらに振り回されて、まだ実際には食べられるものでも捨
てておる（→０１７号）。それが今度は、車の燃料のために世界中の穀物を買いあさる
というのは、アタシは許せんのや。』
《自分たちで食品を大量に捨てておきながら、アフリカの子供たちが食べるべき食物を燃
料のために奪ってしまうって構図やな。そう考えると、こら、間接的には殺人って感じ
もしてくるなぁ。》
『そやさかい、バイオ燃料をこのまま推進していくのは、アタシは反対なんや。洞爺湖サ
ミットでは、エネルギー・環境問題と食糧問題をしっかりリンクさせて話し
いっていうのが、アタシの願いや。そうやないと、バイオ燃料は環境に優しい、地球に
優しいっていうのも偽善に過ぎひん。』
《おっきい "偽" やなぁ。》
『せめて、穀物そのものやのうて、日本は、自分たちが廃棄した食品を活用することを最
優先にすべきや。そもそもは、捨てんようにすべきやろうけどな。賞味期限についても
考え直そう。それに、穀物という、命にとって最も大事な大元のものを、食べること以
外に大量に使い続けると、そのうち、神様とは言わへんけど、自然から大きなしっぺ返
しが来るような気がする。穀物大好きのねずみも怒るでぇ、きっと。』
《おお、すんばらし。そうきたか！》
『こんな落ちで終わらせる話題やないけど、ともかく、今年もよろしゅうお願いしますぅ。』
《今年は何回出られるんやろか．．．》 〟