菅直人首相誕生
鳩山さんが辞任し、菅直人第94代総理大臣が誕生しました。民主党は昨年、マニフェストを前面に押し出して選挙に勝ち、政権をとりましたが、こ
の８ヶ月間、結局どれもうまくいかなかったという印象を国民に与えてしまいました。
何もできなかった原因は、マニフェストに掲げた公約の実行順位を定めなかったことに
あります。子ども手当てだって、１年目から完全実施を目指して半額支給になったため、
野党からの攻撃の格好の材料となり、国民にも失策という印象を国民に与えてしまいまし
た。
『』、《》両氏が、昨年11月１日のブログ「なんちゅうかなぁ」で、こんなことを言っ
ていました。
《総選挙から２ヶ月たったな。》
『鳩山政権発足から１ヵ月半や。』
《この間の様子を見とって思うんやけど、ちょっと気張りすぎ～って感じがするんやけ
ど。》
『そうやな。マニフェストに縛られすぎっちゅうか、意地になっとる感じじがするな。』
《野党時代の理想を掲げて選挙に挑んだんはエエけど、実際に政治をしていくことになる
と、なかなか理想どおりにはいかんやろ。》
『マニフェストをすべて同時に実現しようとするのは無理なんや。all or nothing じゃ
政治はできん。』
《とりあえず一番身近なのが子ども手当やけど、まだ財源が確保できとらんよな。来年度
からの実施は無理なんやろか。》
『なにも一斉にやらんでもええんとちゃうか。財源の許す範囲内で、少しずつ実施してい
けばええんや。』
《たしか、自公政権は、昨年度の第２次補正予算で、３才から就学前の第２子がおる家庭
に子育て応援特別手当子供１人あたり３万６千円配付することを決めて、自治体ではそ
の準備が進んでおったと思うけど、あれはどうなったの。》
『10月半ばに執行停止にしたんや。』
《へえ～。当てにしとった人はガッカリやろな。》
『そらそうやろ。けど、あれは、今回１回限りの支給やけど、民主党の15才までの子ども
手当は子供１人あたり２万６千円を毎月毎月配付するんやさかい、ぜんぜん違うなわ。』
《特別手当より１年ほど遅れるけど、ちょっと我慢して待っとってやって感じやろか。》
『そうやろうけど、さっきもゆうたように、完全実施分の財源が確保できるまで一切施行
せえへんってことになると、特別手当をアテにしとった人から総スカン食うで。』
《オール・オア・ナッシングってやつやな。》
『オマエ、ハチオン悪いなあ。』
《ほっといてんか。それより、一斉に実施できひんならどうすればええの。》
『優先順位を決めればえんや。』
《なんか、新型インフルエンザのワクチンみたいやな。》
『そうやな。まずは、もう少しで子育て支援特別手当をもらえそうだった人たちが最優先
やろな。』
《なるほど。じゃ、それ以上の財源が確保できたら３才からやのうて０才からに広げる
か。》
『そこはいろいろ考えた方があるやろ。まずは、３才から未就学まででも第２子という制
限はなくすべきやろな。子ども手当ての理念からすると。』
《その理念は、子供は家庭だけにまかすんやのうて、社会もきちんと関わるべきやってこ
とやろ。そやさかい、民主党は親の所得による制限はつけんってゆうとるんや。》
『そうや。困っている人の支援やのうて、社会も関わることが大事なんやな。子供は次の
社会を背負うんやさかいな。』
《けど、０歳から２歳までの親は若いさかい、支援やないゆうても、不満が出るんとちゃ
うかな。》
『どうやっても必ずどこからか不満は出るんや。それを説得するのが政治の役割や。けど、
あるときにはエイッと強権的に押し切ってしまうこともせにゃ、結局、nothing のほう
になってしまう。』
《そうやな。ともかく、制度を動かし始めなアカンよな。》
『そうや。で、４年以内に財政が確保できて完全実施になれば上等や。』
《その途中で、選挙前に言ってたいろいろな無駄遣いも改善されていくはずやな。》
『そのはずや。なんちゅうかなあ、ともかく半世紀ぶりの本格的な政権交代なんやから、
アタシら有権者もそれくらいの目で見ておらないと、自民党を利することになってしま
うで。』
連立解消・大臣辞任 ～民主党の裏切り～
普天間問題は、あまりにお粗末でした。腹案どころか、国家の安全保障とは何なのかということを、野党時代のシャドウ・キャビネットでも全く勉強してこなかったということ
です。首相になってから勉強したのでは遅すぎです。
きちんと現実を見据えて勉強してくれば、社民党と連立は組めるはずがないことは、始
めから分かったはずです。
社民党との連立も解消したことですから、民主党はここできっちり謝って、現実的な対
応に切り替えるべきです。参院選で社民党の票を目当てにするのはあきらめなさい。
といって、民主党の支持率が20％割れから一気に60％超えになったことで、支持率の高
いうちにできるだけ早く参院選を、というのも実にみっともない。国民新党代表の亀井静
香郵政改革・金融相が辞任したのも無理ありません。国民新党は、郵政改革を目的に連立
を組んだのですから。それが、国会の会期の延長もせずに、選挙に向かおうとする民主党
に、亀井氏は怒り心頭です。でも、連立解消はしないことにし、国民新党幹事長の自見
(じみ)庄三郎を金融改革・金融相にすることになり、連立は参院選後も継続することにし
ました。
小沢さんの逆襲
さて、鳩山さんの最大の功績は、小沢幹事長も道連れに幹事長を辞めさせたことでしょう。鳩山さんも、かなり疎ましく思っていたのではないでしょうかね。
私は、民主党と小沢さんは、全然色が違うという印象を持っていたので、小沢さんが民
主党にいること自体、違和感を感じていました。
菅民主党代表は、小沢さんにはしばらく静かにしていて欲しいと公言し、小沢さんは、
地元の岩手県の集会で、９月からが本番だといいました。
民主党は、勝っても負けても、小沢さんの巻き返しが始まりそうです。そのときには、
小沢さんは、民主党だけでなく、自民党も割るつもりでいるのかも知れません。
教員免許の期限をやめろ！
何よりも、私がもっとも残念なのは、改正教員免許法の廃止、あるいは凍結ができなかっ
たことです。来年度いっぱいで本来は終身有効のはずだった教員免許の期限が切れてしまう私にとっては、実に気の重い話です。
教員免許については、回を改めてお話しすることにしましょう。 〟